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2020.08.20

WING

双日、貨物改修機リース展開で1機目の改修に近く着手

EC市場伸び加速、狭胴機フレイターで需要拡大見込む

 双日がEC市場の伸びを捉え、保有する単通路機を貨物機に改修する、いわゆるコンバーテッド・フレイターの機体リースに乗り出した。双日航空産業・交通プロジェクト本部の山口幸一本部長(常務執行役員)ら、同社幹部が取材に応じて明らかにした。
 双日は航空機リース事業において、シンガポール・テクノロジーズ・エアロスペース(STエアロスペース)傘下のキーストーン・ホールディングスの50%の株式を2016年に買収。STエアロスペースをパートナーとして、キーストーン・ホールディングスを通じてリース付中古機販売を拡大した。山口本部長は「いま狙っているのは、ある程度経年化した機材をカーゴ・コンバージョンしてリースすること」だとし、パートナーのSTエアロスペースが有する貨物改修ノウハウを活用して、新たな展開を図る。
 「やはりこの先、小型貨物機マーケットが拡大するだろう。そのなかでキーストーン・ホールディングス事業の幅出しをしていく」とし、「従来ならば大型フレイターで一度に輸送していたような配送需要が、小型フレイターを使って運航頻度を上げて輸送する需要がますます高まっていくだろう。中国、アジアを中心にA320やA321、737型機といった狭胴機のコンバーテッド・フレイターの市場が大きくなってきている」とし、双日としてもこの市場の商機を取り込む考えを示した。
 現在、キーストーン・ホールディングスでは1機目の改修案件を計画しており、「スタートすれば、半年程度で完成するだろう」との見通しを示した。
 「現在、緊急的に旅客機の座席を取り外して貨物を客室に積載している形式はあくまで一過性の需要。それに対してEC市場の拡大に伴う小型貨物機需要は、底堅く伸びていくと予想している」とし、EC市場の拡大に伴う小型の貨物改修機需要に期待を寄せた。(以下、次号以降に続く)

 

※写真=コロナ危機で旅客機需要が落ち込む一方、EC市場の伸びで貨物市場は堅調。小型機を使った配送需要拡大を見込み、双日は貨物改修機のリースに乗り出す。写真はエアバスのA320ceo(提供:エアバス)