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ロステック、「Army-2020」で露国防省と装備品契約結ぶ
航空機やT-80BVの改修等、3000億ルーブル以上に
ロステックは8月25日(ロシア現地時間)、ロシア国防省との間に総額3000億ルーブル以上になる各種契約を結んだと発表した。
契約の内容は、新たな装備品や弾薬の供給、既存装備品の改修、ロシア軍のための有望な開発案件などで、統一航空機製造会社(UAC)やロシアン・ヘリコプターズ、ウラルヴァゴンザヴォード(UVZ)、テックマッシュグループのスプラフが契約を結んだという。
UAC、Su-35SやSu-34、Il-76MD-90Aなど契約
ロシアンヘリは多目的艦載ヘリの開発
UACが8月25日に露国防省と契約したのは、Su-35S戦闘機やSu-34戦闘爆撃機、Su-30M2戦闘機、YAK-130練習機/軽攻撃機、Il-76MD-90A重輸送機で、納入は2021年から2025年にかけて行うという。また、傘下のイリューシンは軍用輸送機の整備についても契約したとのこと。ユーリ・シュルサルUACゼネラルディレクターは、「大統領命令による事前調達スキームを国防省が迅速に実行してくれたことに感謝する」と述べ、「今日の契約により、工場のラインを満たし、生産および設計チームに数年先までの仕事を割り当てることが出来、サプライチェーン全体の作業量も増加する。そして、ロシア航空宇宙軍は最新の航空複合体を前倒しで受領することが出来る」と語っている。
また、ロシアン・ヘリコプターズは艦艇用ヘリコプター複合体の研究開発作業を契約。この新たな艦載ヘリは、捜索救難、輸送、戦闘、対潜任務能力を持った多目的機になるという。さらに、快適な客室を備えたMi-38ヘリを2機納入するとのこと。
UVZはT-80BVおよびBRM-1Kの改修
サプラフはタルナード-Sなどを納入契約
陸上装備品では、UVZはT-80BV戦車をオーバーホール・改修してT-80BVMレベルに引き上げる契約や、BRM-1K指揮偵察車の改修で露国防省と契約した。BRM-1Kの契約については、2021年から2022年かけてオーバーホール・改修を実施し、火力、防護力、指揮統制能力、機動力などの戦闘特性を改善するという。一方、サプラフは新型の多連装ロケットシステム(MLRS)であるタルナード-SとBM-21「グラード」用の122ミリ9M22Uロケット弾をロシア軍に供給する。
※写真=UACはSu-35SやSu-34、Il-76MD-90Aなどを露国防省と契約した(提供:UAC)
※写真=タルナード-Sの新型誘導ロケット弾。弾頭部が飛翔中に回転しないことで、衛星誘導により命中精度が前装備品スメルチの15から20倍に向上、射程距離も120キロに達するという(提供:テックマッシュ)