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SkyDrive、39億円調達で2名乗り空飛ぶ車開発加速
サービス開始までに累計100億円調達目指す
空飛ぶクルマの開発を進めているSkyDriveは8月28日、投資ラウンドシリーズBラウンドにおける第三者割当増資により、計39億円の資金調達に成功したことを発表した。今回の第三者割当増資の引受先となったのは、日本政策投資銀行、伊藤忠商事、大林組、日本電気(NEC)、そして三井住友ファイナンス&リースら計10社だ。
そのSkyDriveは愛知県豊田市にある同社の豊田テストフィールドで有人機「SD-03」の有人飛行を公開。同社は2023年にサービスを開始することを目指し、今回調達した資金を開発に充当する。
都内で記者会見に臨んだSkyDriveの福澤知浩社長は「現状で我々の空飛ぶクルマは1名乗りだが、2023年のサービス開始に向けて2人乗りとし、かつ風雨があったとしても飛ぶことができる、いわゆる実用化に向けた機体を開発する」とし、一方の「カーゴドローンは販売を開始しているが、山間部のみならず都市部を含めて自由自在に様々なものを輸送することができる機体を開発したい」と話した。ちなみにカーゴドローンは既に販売を開始しており、複数社からの受注を獲得することに成功。具体的な受注先の明言は避けたが、年内に顧客への納入を開始する計画だ。
今回シリーズBラウンドで39億円の資金調達に成功したSkyDriveだが、福澤社長は「資金調達は計画をもって進めている。投資ラウンドのステージが進むに連れて大きな金額を調達することができるようになっている。コロナ禍ということもあったが、無事にシリーズBラウンドを完了することができてよかった」とコメント。さらに、「空の革命に際して、重要なパートナーとなる方々に出資頂いている。資金面の話しのみならず、業務に関しても上手く連携して産業を構築していくことができる」と話し、既存パートナーに加えて新たにパートナーとなった出資者との協業に期待感を示した。
また、2023年の空飛ぶクルマを使った運航サービス開始までに開発費として「累計約100億円が必要だと考えている」とし、これまでの資金調達によって「およそ半分弱ほどの資金が集まった」ことに言及。「開発をきちんと進めて、残り1回ほどの資金調達でサービスを開始することができれば」と話した。
今回新たに第三者割当増資の引受先となった企業との間では、日本政策投資銀行は国内外の関連ハブとして業界全体をリードしてもらうかたちで協業する。伊藤忠商事は国内外事業化の観点で協業し、大林組との間では土木現場でのカーゴドローンの活用と空飛ぶクルマのポート(離発着場)の協業を進めていく。NECとは既存の航空機に加えてドローン、空飛ぶクルマが共に空を飛ぶことを前提とした運航管理システムで協業、三井住友ファイナンス&リースとは空飛ぶクルマおよびドローンのサービス、リースについて協業する。また、ENEOSイノベーションパートナーズとは充電、モビリティ構造に関して協業し、ベリサーブと機体の安全設計について協業を進めていく方針だ。
なお、福澤社長は「モビリティの歴史を振り返ると、これまで100年に一度、大きな変革があった」とし、200年前には蒸気機関車や蒸気船といった蒸気機関が誕生し、100年前には航空機や車が台頭してきたことに触れつつ、「2020年代、ドローン、空飛ぶクルマに乗って、移動がもっと身近に、そして空を通じた移動が日常的に行われる、そんな未来を作っていく」として、新たなエアモビリティを開発して、新たな未来を切り拓くとした。
「これまでの一人の人生を振り返ってみても、三輪車に乗り、自転車に乗って、車、飛行機に乗る。年代を重ねるごとに様々な新しいモビリティに乗って、これまで出会えなかった人に出会うことができる、できなかったことができるようになる。そして新しいことに挑戦することができるというかたちで、人生が豊かになっていく」とコメント。「空飛ぶクルマ、ドローンによって、生活、人生の可能性を広げていきたい」と話した。
有人飛行公開、23年サービス開始へ
1機3000〜5000万円に
SkyDriveが有人飛行を報道公開した「SD-03」には、4カ所に合計8基のローターとモーターが設置されており、これらをコンピュータで制御する。それぞれの回転率を変えることによって、自由自在に空を飛行することができるようにしている。搭乗することができるのは1名で、自動運転と一部マニュアル操縦で飛行することができる。
ただ、「SD-03」はあくまで有人飛行を実証するための試験機であって、2023年のサービス開始に向けて、二人乗りの「SD-04」を開発する計画。実用化に向けて、耐空証明など運航開始に向けた必要な認証取得作業を進めていく見通しだ。
型式証明については日本国内で取得するとしており、・・・・・・。
大阪湾岸エリアからサービス開始
20年代後半に東京・中部エリアも視野
運航事業の展開もSkyDriveで
他社との合弁設立の可能性も示唆
※写真=豊田市の豊田テストフィールドで有人飛行を公開した(提供:SkyDrive)
http://jwing.net/w-daily/pict2020/2008/0831skydrive3-w.jpg
※初飛行の動画※YouTubeにリンク(提供:SkyDrive)