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防衛省、火薬庫の特別検査で41棟に不備
18棟で建物との保安距離不足、貯蔵量調整など対応
防衛省はこのほど、管理する火薬庫の特別検査を行ったところ、全1401棟のうち2.9%に当たる41棟で、保安距離などに不備があったことを明らかにした。不備が見付かった火薬庫41棟のうち、特に18棟では貯蔵量に対する保安距離が確保されていなかった。対象の火薬庫では、直ちに貯蔵火薬の一部を別の場所へ移動させるなど、すでに必要な是正措置を完了した。河野太郎防衛大臣は28日の会見で、同問題の発生は周辺住民ならびに隊員の安全を確保するためにも「大変申し訳なく思っている。再発防止策を徹底していきたい」と謝罪して、厳正に管理を行っていく考えを示した。
この問題の発覚は、2019年10月に航空自衛隊基地内の火薬庫で、保安距離の確保が不十分だった可能性が指摘されたことがきっかけ。さらに、その状況が毎年行う検査で見逃されていた可能性もあることが分かった。そこで防衛省は、全火薬庫の保安距離に関する特別検査を行うことにした。検査要領は、火薬庫管理者が巻き尺やレーザー測距器、GPSなどを使用した実測。距離に余裕がある場合に限り、国土地理院の地形図などで確認した。19年11月29日から20年4月17日まで特別検査を行って、問題のあった火薬庫へ講じた是正措置の取りまとめが完了したため、対応状況の発表に至った。・・・
基地外物件との距離不足14棟、基地内の不足13棟
《基地外の物件に対する不足距離》
〈陸上〉
▼吉井(群馬)=10m未満:4棟/20m以上~60m未満:2棟
▼伊丹(兵庫)=10m未満:2棟
▼久留米(福岡)=10m未満:1棟
▼大分(大分)=10m以上~20m未満:1棟
▼湯布院(大分)=20m以上~60m未満:1棟
▼北熊本(熊本)=10m未満:1棟
▼都城(宮崎)=20m以上~60m未満:2棟
〈航空〉
▼加茂(秋田)=20m以上~60m未満:1棟
▼恩納(沖縄)=10m以上~20m未満:1棟
《基地外の物件に対する不足距離》
〈海上〉
▼厚木(神奈川)=10m以上~20m未満:1棟
▼大村(長崎)=20m以上~60m未満:1棟
〈航空〉
▼網走(北海道)=10m以上~20m未満:1棟
▼根室(北海道)=10m以上~20m未満:1棟
▼三沢(青森)=10m未満:1棟
▼百里(茨城)=10m未満:1棟
▼小松(石川)=10m未満:1棟
▼串本(和歌山)=10m未満:1棟
▼見島(山口)=20m以上~60m未満:1棟
▼福江島(長崎)=20m以上~60m未満:1棟
▼海栗島(長崎)=10m未満:1棟
▼高畑山(宮崎)=20m以上~60m未満:1棟
▼下甑島(鹿児島)=20m以上~60m未満:1棟