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ボーイング、持ち運び可能な紫外線照射棒開発
今秋製造開始で他社と提携も、ANAら開発に協力
新型コロナウイルスの感染拡大で世界各地の航空会社が窮地に立たされているなか、機体メーカーのボーイングが、機内感染予防のための新たなソリューションとして、機内の除菌・殺菌ツールとなる紫外線照射棒の開発を進めている。エティハド航空、全日空(ANA)ら複数の航空会社が、その開発に協力しているという。ボーイングは早ければ、今年秋頃には製品化に向けた製造を開始することを目指して開発作業を進めていく方針だ。この紫外線照射棒の製造に関してボーイングは、他社と提携する可能性があるとしている。
新型コロナウイルス感染拡大で、世界の航空輸送は「ニューノーマル」が求められるようになってきた。感染拡大が続くなか、旅客は航空機利用に際してマスクやフェイスカバーの着用が”義務”となっているほか、チェックインや保安検査、搭乗口などでのソーシャルディスタンスの確保、航空会社も機内清掃・消毒に化学薬品を使って表面を拭き取る方法や静電スプレーを使って客室内などの清掃・除菌作業を実施するなど、「ニューノーマル」の航空輸送に対応したサービスのあり方や技術開発の模索が続いている。
そうしたなか機体メーカーのボーイングが開発を進めているのが、持ち運び可能な紫外線照射棒だ。ボーイングによれば、この紫外線照射棒試作品は、ボーイングがエコデモンストレーターを使って8月に試験でも実証済みだ。これまでにフライトデッキ、ラバトリー、客室の消毒について試験した。
既報の通り(本紙6月18日号)、・・・
※動画=持ち運び可能な紫外線照射棒を使えばフライトデッキを15分未満で除菌することができる(提供:ボーイング)
※写真=ボーイングが開発中の紫外線照射棒。新型コロナ感染拡大でエアラインは新たな清掃・除菌方法を模索しており、除菌効果が期待される紫外線もその候補の一つだ(提供:ボーイング)
※写真=ボーイングは紫外線照射棒を今秋にも製品化することを目指し開発を加速する(提供:ボーイング)
※写真=エアライン各社も開発に協力しているボーイングの紫外線照射棒。量産では他社との提携を視野に入れる(提供:ボーイング)