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NAA、新ランプセントラルタワー10日供用開始
耐震・免震構造で機能維持、旧タワー撤去へ
成田国際空港会社(NAA)はこのほど、9月10日に供用を開始する成田空港のランプセントラルタワーのプレス向け内覧会を行った。このタワーは管制塔とは別に、NAAスタッフがスポット周辺の発着機を誘導するランプコントロールを行う施設。新タワーは、塔部分まで耐震構造で、コントロール室を含む上部高層階が免震構造となっている。災害時の安全性が向上したことはもちろん、災害拠点としての機能維持などにも貢献する。
新しいランプタワーが必要になったのは、従来から使用していた旧タワーの老朽化が進んだため。雨漏りなどが目立つようになっていた。新タワー供用後には取り壊す予定だ。この旧タワーは、1978年の空港開業当初から使用されてきた大変に古い施設。当初は管制官が勤務する管制塔として使用していたもの。空港の開業直前の78年3月26日、当時の反対派によって占拠され、機器が破壊されたのは、この旧タワーだ。この事件によって、開業日が約2ヵ月遅れの5月20日になった。より高い管制塔が必要になり、93年に現管制塔が完成。そして95年から同タワーでランプコントロールが開始された。まさに成田の象徴であり、歴史を見てきた施設といえる。
高さ60メートル5階構造、大型モニターで見やすく
この新タワーは設計者が梓設計で、施工者が清水建設。2017年2月から着工を開始し、今年6月ごろには躯体が立ち上がった。高さは約60メートルで、旧タワーの約64メートルよりも若干背が低い。総工費は建屋のみ26.5億円となった。1階と2階はビル部分で、1階には入場ゲートや会議室などを設置。2階部分には従業員のための仮眠室や休憩室などを置く。そこから上は塔部分で、3階には研修室、4階には機械室があり、最上階の5階にランプコントロール室がある。室内に所狭しと並ぶ機器は、もちろん新しいものに刷新していて、特に空港の各所を監視するモニターは、薄型の大画面となって、コンパクトながらとても見やすくなったという。ランプコントロールに必要な約100台のカメラ映像を適宜見たいサイズで出力し、隅々の状況まで確認できるのだ。
成田空港は国内で唯一、発着機の誘導を管制塔とランプタワーで分業している空港だ。・・・
4点の免震ゴムで上層部支える構造
21年2月ごろ取り壊し、3本揃い踏み今年見納め
※写真1=9月10日に供用開始となるランプセントラルタワーの外観
※写真2=最上階5階のコントロール室。機器が新しくなり、モニターが大きく見やすくなった
※写真3=上層部の免震構造の概略図。塔体とのつなぎ目が分かる
※写真4=奥側が管制塔で、手前側が旧ランプタワー。旧タワーは2月ごろから撤去することになる