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空自入間基地に配備された新鋭飛行点検機U-680A
飛行点検隊26年ぶりの新機種導入、航続距離など向上
〔写真・文=石津祐介〕飛行点検隊のU-680Aは、部隊にとって実に26年ぶりの新機種となる。2020(令和2)年3月26日に納入され、5月25日から飛行を開始しており、現在は入間基地で2機が運用試験中である。U-680Aは、テキストロン・アビエーション社(アメリカ)のビジネスジェット機であるサイテーション・ラティテュード680Aをベースに、ノルウェイジャン・スペシャル・ミッション(NSM)製の飛行点検装置UNIFIS3000を搭載している。これまでの点検隊の航空機に比べ、航続距離や短距離離着陸性能が向上した。新機種導入の一方で、現有機のYS-11FCは任務に就いて既に50年近くが経つ。同機は、今年度で退役予定となっている。
今回、このU-680Aについて入間基地所属の飛行点検隊パイロットである齋藤將統(まさつね)3佐にインタビューを行った。齋藤3佐は、飛行点検隊でYS-11FCやU-125の操縦経験もあり、「一番新しい機体ですので、使いこなしていきたいと思います」と語った。・・・
〔U-680Aスペック〕
▼機体諸元:全長19.0m×全幅22.0m×全高6.37m
▼航続距離:約2300NM
▼最高速度:Mach0.8
▼エンジン:PW306D1(プラットアンドホイットニー社製)
▼初飛行:2014年2月
▼量産製造:2014年6月
▼形式証明:2015年6月(アメリカ連邦航空局の型式証明)
※写真=離陸するU-680A。短い滑走路での運用も可能となっている
※写真=統合システムによりさまざまな情報が表示できる近代的なコクピット
※写真=新たに搭載された点検装置UNIFIS3000
※写真=航空自衛隊飛行点検隊・齋藤將統(まさつね)3佐。小牧基地第401飛行隊でC-130Hの教官パイロットを務めた後、飛行点検隊へ