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2020.09.04

WING

SkyDrive、岸CTO「4号機設計に一部着手」

来年中に基本設計完了か、「格好良いモノ作りたい」
 
 空飛ぶクルマを開発中のSkyDriveの岸信夫最高技術責任者(CTO)が本紙の取材に応じ、有人飛行に成功した一人乗りの「SD-03」号機に続く、二人乗りの「SD-04」号機の設計に一部着手していることを明らかにした。
 岸CTOは「SD-04」号機の設計について、「本格化しなければ間に合わない。いくつかのコンセプトのなかでは議論している」とした。同社は2023年に大阪湾岸エリアで運航サービスを開始することを計画中で、その際には二人乗りの機体を投入する。基本的にはプログラミングに従って自律飛行するが、運航開始当初は万一のトラブルに備えてSkyDriveが認めたオペレーターが搭乗することになることから、旅客としては1名のみ搭乗することができる。ちなみに同社が自ら運航を手掛けることのほか、他社と合弁会社を設立して、その合弁会社が機体を購入して運航サービスを展開することも検討している。
 岸CTOは「SD-04」号機の設計スケジュールについて、「まだきっちりとした線を引けてはいない」と前置きした上で、「概念設計、基本設計、細部設計と設計段階を経ることになるが、基本設計は来年中に終わるかどうか」としており、その設計開発作業を加速していく考えを明かした。
 「SD-04」号機の設計コンセプトについては、「やはり格好良くなければならない。クール、ウェルデザインであり、かつコンパクトであることだ」とコメント。その上で、「格好いいことと、遠くに飛ぶことは相反する可能性がある」とし、「長く飛ぼうとすれば、航空機の場合は燃料を多く搭載する。空飛ぶクルマならばバッテリーを多く積むことになり、機体が大型化してしまう。使われ方にもよるが、同じ使われかたであれば、格好良いものを作りたい」と話した。
 「一般の方が乗ってみたいと思って頂けなければ、いくら安全安心だといっても、乗ってもらえない。今の高校生、中学生、小学生世代、あるいは小さな子ども抱えている家族が、これなら乗ってみたいねという格好良いデザインでなければならない。そうした調査も必要だと思う」と話した。
 なお、岸CTOの視界には既に「SD-04」号機以降の機体開発も入っている。「2023年の運航サービス開始段階では、海の近く(大阪湾岸エリア)を飛ぶと。それから2025年の大阪万博開催に向けて段々と都市部の飛行に入っていく。そして2028年の段階では、クルマとして地上を走行する機能を有していて、自律飛行することもできる。そういうものを開発したい」と話した。

 

SD-03号機、独立8系統で冗長性確保
計算上は40-50km/h、高度数百m飛行も

 

機体製造、アウトソースの可能性も
部品点数は1000点、主要サプライヤー5~10社

 

「とにかく早く」から「きっちり説明」段階に
型式証明取得向けた課題とは

 

■大手の安定捨ててスタートアップで挑戦
福澤氏との出会いから2ヵ月後には入社決意

 

※写真=SkyDriveの岸信夫最高技術責任者。戦闘機、旅客機開発を活かし空飛ぶクルマ開発に挑む

※写真=SD-03号機に搭乗する岸CTO

※写真=有人飛行に成功したSD-03号機。2人乗りのSD-04号機の設計が一部始まっている(提供:SkyDrive)

※写真=夢かと思われた空飛ぶクルマが2023年にサービス開始。その実現までもう少しだ(提供:SkyDrive)