WING
ヴァージン・アトランティック、1150名の追加削減
コロナ前の半数削減に、来年も収益半減で先行き不透明
ヴァージン・アトランティック航空は9月4日(英国現地時間)、同社の再建計画が認可されたことを発表した。同社は1150名の従業員を追加で削減する。去る8月4日には米国で破産申請しており、コロナ危機の影響でこれまでに約3500人以上もの雇用削減を表明済みで、今回の追加解雇の決定で、コロナ禍前の半数もの従業員が同社を去ることになってしまった。
ヴァージン・アトランティック航空にとって、大西洋横断線が生命線だ。同社のネットワークの実に70%が大西洋横断線となっている。新型コロナウイルス感染拡大で厳しい出入国規制が続き、航空旅客需要が大きく減退。ヴァージン・アトランティック航空の生命線は3月16日以降、奪われてしまっている。
同社は米国の国境閉鎖と英国の検疫措置は、当初の予想をはるかに超えて長く続いているとしており、ヴァージン・アトランティック航空が大西洋を中心とした長距離路線を展開していることを考えると、不釣り合いなほどに影響しているとの認識を示した。その上で、英米両政府に対し、公衆衛生を保護しながら渡航制限を解除するための新たな検査制度を導入することを強く要望した。
同社は同日、英米両国の裁判所から再建計画の認可を得て、12億ポンド(約1700億円)の金融支援が実行に移されるなど、経営立て直しに向けた道筋を付けることに成功した。ただ、大西洋路線ネットワークが壊滅的なまでに打撃を受けるなか、同社の人員も、コロナ禍以前の約半減にまで落ち込むなど、先行きには不透明感が漂う。・・・
※写真=ヴァージン・アトランティック航空が1150名を追加削減。再建に向けた計画が認可されるも先行きには暗雲が垂れこめている