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2020.09.07

WING

自衛隊中央病院、大量受傷者受入訓練実施

大規模スポーツイベント中の同時多発テロ想定

 防衛省・自衛隊は9月5日、自衛隊中央病院で「2020(令和2)年度自衛隊中央病院大量受傷者受入訓練」を実施し、その様子を報道公開した。
 今回の訓練は大規模スポーツイベント中の同時多発テロを想定したもので、陸上自衛隊陸上総隊や東部方面隊、陸自衛生学校、航空自衛隊のほか、世田谷区医師会、日本DMAT、日本医科大学千葉北総病院、警視庁、東京消防庁が参加。テロ発生現場での活動や、指揮所活動、患者受入、患者の航空搬送などを演練した。
 今回の特色としては、新型コロナウイルス感染症の流行という状況下で訓練実施が難しい状況下である点、訓練想定としても受入れる患者が新型コロナウイルス感染者である可能性があるという状況を踏まえて、マスクや個人防護衣を着用して患者への処置を実施しなければならない点がある。また、これまで訓練においては自衛隊のへリコプターのみで患者搬送訓練を実施してきたが、今回初めて警視庁航空隊および東京消防庁航空隊のヘリ、日本医科大学千葉北総病院のドクターヘリが離発着し、部外機関ヘリが自衛隊中央病院への離発着能力を確認・検証した。
 自衛隊中央病院院長の上部泰秀防衛技官は訓練開始式で、「病院一丸となって訓練成功に邁進せよ。安全管理・コロナ対応に十分に留意せよ」の2点を訓練に参加する関係各員に要望。「病院の対処能力向上だけでなく、部内外機関との連携強化を成し遂げること、また安全管理意識を持つことおよび新型コロナウイルス流行下でも訓練は可能であるという自信を勝ち取ろう」と語った。

 

爆破、化学、無差別殺傷の同時多発テロを想定
現場でのトリアージや除染対応など行う

 

河野大臣「東京五輪に向け、更に連携を密に」

 

※写真=自衛隊中央病院は2020年度大量受傷者受入訓練を実施した。写真は空自救難隊ヘリによる航空患者搬送の様子

※写真=自衛隊中央病院内では化学・無差別殺傷によるテロとその対応要領を展示。テロ実行犯が散布した液体のサンプルを採取する様子

※写真=中央病院内での重症患者の治療の様子。コロナ渦のため、患者が感染者である可能性があるため、マスク等を着用して予防策をしっかりと行っている

※写真=今回の訓練では警察や消防、ドクターヘリが初めて中央病院屋上のヘリポートを使用した