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2020.09.10

WING

栗田国交事務次官、中長期視点で首都圏空港強化

容量100万回化で30年訪日6000万人達成目指す

 栗田卓也国土交通事務次官は9月9日の専門紙記者会向けに就任会見を開き、航空分野で取り組む首都圏空港のさらなる機能強化が「中長期的観点からも必要不可欠な取組み」と述べて、発着容量年間約100万回の実現へ意欲を見せた。この取組みが、政府目標の2030年訪日外国人6000万人達成に大きく影響し、さらには日本の国際競争力強化にもつながるとして、機能強化の「手を緩めてはいけない」ことを強調した。
 首都圏空港のさらなる機能強化の取組みでは、2020年夏ダイヤから年間発着容量を83万回に拡大した。羽田空港が49万回、成田空港が34万回で、特に成田では今後約100万回の発着容量を実現するため、第3滑走路整備を含めた整備を進めている。空港会社(NAA)では、2028年度末の供用開始を目指しているところで、国交省では今年1月31日に同整備に関する航空法の変更許可を行った。栗田事務次官は2028年度末の供用開始に向けて「地元自治体など関係者と連携して、機能強化の実現に最大限努力したい」と話し、地域との連携を重視する考えを示した。
 さらなる機能強化を進める一方で、航空需要は新型コロナウイルス感染症の影響で著しく減少した。この需要が戻るまで長期化する懸念もあり、先が見通せない状況。それでも「私たちは、計画的に中期的視点を持って、整備を図っていかなければいけない」という。政府は2030年の目標訪日6000万人を維持しており、その達成のためにも、インバウンドが回復までの期間に、魅力的なコンテンツの造成や、Wi-Fi環境の整備など「すべきことは多々ある」とした。空港容量年間100万回の達成も、成田の2028年度末に完成する能力増強によって成立する目標。さらにその後の2030年に6000万人達成を目指す。すべての取組みと目標が関連しているため、コロナ禍の中でも「計画的に取り組む必要がある」と説明した。・・・

 

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※写真=就任会見で質問に応える栗田卓也国土交通事務次官