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日機装、工場再編で攻めの姿勢、国内モノづくりは宮崎集約
開発案件は東村山製作所で、ベトナム2工場の更なる活用検討
世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で航空業界は未曾有の危機に晒されている。航空機・エンジンメーカーもまた然り。エアラインの業績悪化で、新造機の生産量が大きく落ち込んでおり、その傾向は今後しばらく続く見通しだ。
日機装航空部門も新型コロナ危機の影響を受け、2020年12月期上期決算では、受注・売上収益ともに対前年同期比約32億円の減少影響が生じてしまった。
しかしながら、日機装はこのコロナ禍にあっても、航空部門における攻めの姿勢を変えていない。
日機装航空部門の長門祥一航空部門長兼航空宇宙事業本部長(取締役執行役員)によれば、「ありがたいことに会社も理解を示してくれており、今一時沈んだとしても、必ず回復してくる業界だとみてもらえている。一時、苦しくても先に備えてやるべきことをやっておこうという姿勢で進めている」としており、その体制を強化すべく工場再編を引き続き推進していく方針だ。
日機装航空部門の始まりは、静岡県にある静岡製作所(牧之原)だった。当初は航空宇宙事業本部の技術部、製造も静岡に位置していたが、製造が拡大していくに連れて手狭になってきたため、金沢製作所にカスケード工場を設置して、カスケード生産の一部を静岡から移管した。
その後、さらに静岡が手狭になり、A320neoのPW1100G-JMエンジン用ファンケースライナーの製造を東村山製作所に移し、今年1月には技術開発についても静岡から東村山に拠点を移設した。・・・
広大な敷地有するベトナム2工場
引き合い多数、2-3年後には契約獲得も
コロナ影響、今底として来年後半に上向き期待
研究開発部門増員や航空事業の新事業模索
※写真=日機装航空宇宙事業本部は国内の製造拠点を宮崎に集約する。写真は宮崎日機装(提供:日機装)
※写真=ベトナム工場。ベトナムには2つの工場を構え、多彩な製品を製造する日機装航空宇宙事業本部の一大拠点だ。今後の更なる活用を検討している(提供:日機装)
※写真=本誌の取材に応じた日機装航空宇宙事業本部の長門祥一本部長(中央)、岩岡潤副本部長(右)、瀧川智子営業部新規事業開発グループグループリーダー(左)