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SKY佐山会長、海外航空会社とコードシェア模索加速か
コロナ経て自前で国際線飛ばすリスク認識
スカイマークの佐山展生会長が本紙の取材に応じて、コロナ禍を経た今後の国際線展開について、あくまで「個人的な見解」と前置きした上で、「今回のコロナ禍のようなリスクが発生することを考えると、米国、欧州など、世界各地から日本に就航している航空会社とコードシェアを締結した方が良いのではないか」と話した。佐山会長はコロナ禍以前、将来的に自ら欧米路線を開設したいとの目標を口にしていただけに、コロナ禍を経た今、自前で欧米線など国際線ネットワークを拡大するリスクを認識し、これまでの考え方に大きな変化が生じたかたちだ。
航空業界全体を震撼させている今回のコロナ禍のような事態が今後も発生することを考慮すれば、「国際線を増やすということは、大きなリスク。(コロナ禍を経て)今はわざわざ自分で飛ばすことはないなという気がしている」としつつ、世界各地から日本に就航している航空会社とコードシェアを展開することで、海外と日本間の運航を海外航空会社のパートナーが担い、一方でスカイマークが日本国内の運航を担当するパートナーシップのメリットに触れた。
佐山会長はコロナ禍以前において、欧米線を自前で開設したいという絵図を描く一方、外国航空会社との提携についても前向きな姿勢を示してきた。ただ、今回のコロナを経て自前での欧米線など国際線運航拡大に対する考え方が大きく変化した一方、外国航空会社との提携については、さらに前向きに検討を推し進めていきたいとの想いを強めた様相だ。
「コードシェア提携ならば、スカイマークを利用する日本人のお客様がコードシェアを結んだ海外航空会社の便で海外に行くことができるようになり、一方で日本を訪れたお客様がスカイマーク便で日本各地へと行くことができる」とし、コードシェアパートナー、スカイマーク双方に大きなメリットが生まれると話した。
「コードシェアだけではないが、少なくとも(コードシェアは)実施した方がが良いのではないかと思う。外国航空会社とコードシェアを展開するだけで、スカイマークが海外へ展開している感は一層強くなるだろう」とした。
ちなみに、スカイマークは成田-サイパン線を有しているが、この同社唯一の国際線はコロナ影響で運休を強いられている。国際線については「見通しは立っていない」としながらも、「個人的にはできるだけ早く再開したいと思っている」とした。その運航再開時期については、もちろんPCR検査体制の確立や出入国規制の緩和などが条件ではあるものの、そうした条件が整った段階でも、「我々の体力の問題ではなく、サイパン側、それから日本人の需要が戻ってくるのか、それ次第」として、慎重に運航再開時期を見極める方針だ。
また、当初は2020年度中にも開設することを目指していたパラオ線についても、その計画は一時凍結中だ。この路線の開設についても「需要次第」としており、現段階ではまだまだ不透明だ。
「ほぼ完璧」だったコロナ禍以前
再上場目前にした急変
アフターコロナは従来需要内容が変化する
需要減少決してない、+αの新需要が発生する
9月に需要回復の兆し、シルバーウィーク堅調
国内需要、3月にコロナ前90%水準回復可能性も
下地島3路線開設、神戸便など好発進
下地島線は「競争優位に」
次世代機選定は継続、「先見据えじっくり検討」
コロナで市場に溢れた機材を中古で繋ぎ導入の可能性も
(佐山会長インタビュー、次号以降に続く)
※写真=スカイマークの佐山展生会長。コロナ禍を経て従来の国際線展開に対する考え方に変化も
※写真=10月には下地島3路線の開設にも踏み切るスカイマーク。9月後半から需要回復に手応えも