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東京国際空港における新型コロナウイルス対策
東京国際空港長:生野 優
東京国際空港(羽田空港)は令和元年度の総旅客数が8,171万人を記録し、世界でも5番目に利用者数の多い、首都東京のみならず、日本の玄関口です。都心に近く24時間オープンしているという強みを生かし、特に平成22年に4本目の滑走路を整備し国際定期便が再就航してからは、国際線の利用者が約6倍に急増しています。
そのような中、羽田空港におきましては、2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催やその後の訪日外国人旅行者の需要に対応するため、本年3月に新飛行経路の運用を開始し国際線の発着回数を年間3.9万回増便したほか、同じく3月には東京国際空港第2ターミナル国際線施設を供用開始し、世界中の皆様を東京へお迎えする準備を進めてきたところです。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、東京オリンピック・パラリンピックは来年に延期となり、また世界的な航空需要の落ち込みにより、羽田空港も大きく影響を受けております。日本で緊急事態宣言が発出された本年5月の総旅客数は対前年度比5%にまで落ち込みました。7月以降は国内線を中心に徐々に旅客数は回復してきているものの、完全な回復にはまだ時間がかかると見られます。
このような状況においても、羽田空港では旅客の皆様に安心して空港をご利用いただけるよう、様々な対策を実施しております。ターミナル内のアルコール消毒液の設置や換気、チェックインカウンター等での間隔の確保やアクリル板の設置、ポスター等による旅客へのマスク着用の要請のほか、国内線保安検査場において、出発旅客に対しサーモグラフィーによる体温確認を実施し、発熱等の症状がある場合は航空便への搭乗を慎んでいただくようお願いしております。
また、現在、国際線ターミナルにおいては、厚生労働省による入国者のPCR検査等が実施されておりますが、今後も出入国時の検査体制拡充のため、空港側としても関係機関に協力してまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響により困難な状況が続いておりますが、一日も早く多くの旅客の皆様に再び安心して当空港をご利用いただけるよう、今後も安心・安全を最優先に、東京国際空港の運営に邁進してまいります。(東京国際空港長 生野 優)
※写真=東京空港事務所の生野優空港長