記事検索はこちらで→
2020.10.05

WING

月の縦孔、宇宙線被曝を大幅軽減

月表面の10%以下、月滞在の安全空間に

 人類が新たな滞在空間として月へと進出しようとしている。ただ、月への長期滞在は、宇宙線被曝量が大幅に上昇する懸念があるのだ。そうしたなか宇宙航空研究開発機構(JAXA)、量子科学技術研究開発機構、早稲田大学の研究グループが、月の縦孔を利用することで、宇宙放射線による被曝線量が、月表面の10%以下にまで抑えることができるとのシミュレーション結果を明らかにした。
 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士は1日に0.5~1.0ミリシーベルトの線量を被曝している。これは地上での被ばく量の100倍以上に相当するものだ。ただ、月面滞在となれば地球磁場による放射線の低減効果がなくなることや滞在期間が長期化することにより、被曝量が大幅に増大することが懸念されているという。・・・

 

※写真=シミュレーションはマリウスの丘の縦孔を模擬して行われた(提供:NASA、LRO)