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2020.10.07

WING

川崎重工業、次世代回転翼機コンパウンドヘリの飛行試験実施

時速370kmの高速性能、将来は有人・無人双方で市場投入も

 川崎重工業が無人のコンパウンドヘリコプター「K‐RACER」の飛行試験に成功した。コンパウンド・ヘリコプターは将来ヘリコプターの形態として、注目されている機体形態。ヘリコプターのテールローターを無くし、胴部に固定翼を設置し、その固定翼に推進用のプロペラを搭載する特殊な回転翼機だ。メインローターによる安定したホバリング性能を有する一方、従来機の約2倍にも達する高速性能がウリとなる。川崎重工業によれば、同社は「K‐RACER」の高速性能の計画値として、最大で200ノット(時速370.4キロメートル)を達成することを目指すとしている。
 川崎重工業はコンパウンド・ヘリコプターという特殊形態の次世代ヘリコプター開発に挑むかたちだが、高速性という観点ならば、オスプレイやAW109といったティルトローター機も優れた高速性能を誇る機体形態だ。オスプレイに代表されるように、すでに技術的に確立したティルトローター機ではなく、あえて世界的にも技術的に十分に確立されていないコンパウンド・ヘリコプター開発に挑む理由について同社は、・・・

 

※写真=川崎重工業が開発したコンパウンドヘリコプター「K‐RACER」。北海道大樹町で飛行試験を行なった(提供:川崎重工業)

※写真=川崎重工業の「NinjaH2R」(左)と「K‐RACER」。「NinjaH2R」のスーパーチャージドエンジンを搭載した(提供:川崎重工業)