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2020.10.07

WING

東アジアトップクラスの空港を目指す福岡空港

-福岡空港事務所 佃健次空港長

【~空の日特別寄稿~】 福岡空港は、昭和19年の日本陸軍による席田(むしろだ)飛行場建設の農地接収からその歴史が始まっています。終戦を迎えると板付飛行場として米軍に接収され、昭和47年になって福岡空港として日本へ全面返還されましたが、現在でも約3割の民有地が空港内に残ったままとなっています。また、福岡空港は、都市型空港として福岡市街地と地下鉄により5分~10分で結ばれた日本一利便性の高い空港のひとつです。その反面、航空機騒音には敏感な空港でもあります。このように福岡空港はその成り立ちから、地域のみなさんの理解を得ながら地元福岡と共に発展してきた空港です。
 そして平成から令和へ、所謂、民活空港運営法により福岡国際空港株式会社(FIAC)が福岡空港の空港運営をスタートさせ新たなステージが始まりました。国内線ターミナル地区の再整備による誘導路の二重化、奈多地区へのヘリコプター機能の移転、そして地域のみなさんの理解も頂き、今年の夏ダイヤから発着容量を1時間当たり35回から38回に増やすことができました。
令和元年実績では、福岡空港の発着回数は約18万回、利用者数が約2,468万人となり共に過去最高の値となりましたが、福岡空港に就航を希望するエアラインはまだまだ数多くあり、その旺盛な需要に応え、安全と利便性の向上を図るため滑走路増設に加えて管制システムの高度化などの検討も進められています。
 今年度は新型コロナウィルスの感染拡大の影響により空港を取り巻く環境は非常に厳しい状況となっていますが、FIACが目指す「東アジアトップクラスの空港」実現に向けて、滑走路増設事業と共に免税店の拡大やホテルの誘致、複合ビルの建設、そして内際連絡バス専用道の整備等、アフターコロナの先を見据えた施設の充実を予定通り進めていく事となっています。また、ソフト面においては空港に関わる事業者に横断的に参加してもらい、利用者目線に立ったサービス向上を「チーム福岡空港」として継続的に実施して、2025年新滑走路供用開始までにSKYTRAX社の5スターエアポートを目指す取り組みを展開することとなりました。
 福岡空港がこれからも地域のみなさんとの共存共栄を果たし、FIACを中心とした関係事業者との連携も図りつつ、福岡そして九州の経済の牽引役として大きく羽ばたいていけるように、私たち福岡空港事務所も一体となって取り組んで参ります。

 

※写真=福岡空港事務所の佃健次空港長(提供:福岡空港事務所)