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空港運営の民間委託を開始!
熊本空港長 占部誠一
【~空の日特別寄稿~】 熊本空港では、本年4月1日から、いよいよ空港運営の民間委託が開始されました。国管理の空港としては、仙台、高松、福岡に続く、4番目となります。三井不動産、九州電力などから構成されるコンソーシアムによって昨年設立されました「熊本国際空港株式会社」が、同4月1日からは、空港の運営を担っています。まったく我々空港運営者側の話とはなりますが、航空局から、この新会社へと移管される業務に関する“引継ぎ”の準備に奔走する1年となりました。
さらには、4月7日からは、これまでの慣れ親しんだ国内線ターミナルビルが閉館となり、代わって、暫定的に利用される新しい国内線ターミナルビルの供用が開始されました。現在、旧国内線ターミナルビルは既に取壊しの工事が始まっており、3年をかけ、国際線とも一体となった、新しいターミナルビルへの建て替えが行われる予定となっています。新しく供用が始まりました暫定の国内線ターミナルビルは、これまでの国内線ビルに比べますと、どうしても手狭で、利用者の皆さまには、利便性、快適性といった面で、あるいは若干の御不便をおかけすることにもなるかとも懸念をしておりますが、万全の対応を行っていきたいと考えております。そして、3年後の新ターミナルビルの完成を、ぜひ御期待をして、お待ちいただけたらと考えております。4年前、2016(平成28)年4月に発生いたしました熊本地震では、大変に大きな被害を受けました熊本県でありますが、ここ熊本空港は、県により、その『創造的復興のシンボル』としても位置付けられており、関係者一同、身の引き締まる思いで、この4月からの新体制の下での業務に取り組んでいるところであります。
さて、その今年。ここ熊本空港におきましても、新型コロナウイルス禍による影響を免れることはできませんでした。記念すべき民間委託開始を祝します式典等も中止、また、政府の要請にもよる旅客需要の減少に伴い、各路線、減便・運休に見舞われるという事態に陥りました。お客さまの姿の少ないターミナルビルを目にしますのは、我々にとりましても、本当にさみしい思いであります。ここは、当空港におきましても、感染症対策を徹底し、まずは、お客さまに、安全・安心にご利用していただける空港とすることが、我々の第一の責務であると考え、対策を施してきております。
以上、今後におきましても、航空の安全を最優先にしつつ、地域との調和を図り、地域とともに発展する空港を目指して努力を重ねてまいる所存でありますので、今般のコロナ禍の一日も早い終息を祈りつつ、関係の皆様方のより一層の御支援と御協力を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
※写真=熊本空港事務所の占部誠一空港長