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20年度上期緊急発進は371回、過去5年で最少に
中国機へ234回発進、前年比約100回減も警戒必要
統合幕僚監部がまとめた2020年度上半期の緊急発進(スクランブル)実施状況は、前年同期比99回減少となる371回だった。そのうち、中国機に対する緊急発進が98回減の234回で、ロシア機には1回減の134回となった。割合として、中国機が約63%を占め、ロシア機が約36%で、そのほかが約1%。同期間に緊急発進の対象とした航空機は、中国・ロシアとも推定含め、情報収集機に対する緊急発進が多かった。統幕では、日本周辺空域での中国軍およびロシア軍の活動は、回数自体減少傾向となっているが、引き続き活発に続いている状況だとしている。その動向は、引き続き注目していく必要があるという。
20年度上期の緊急発進のうち、公表した相手航空機の特異飛行については8件だった。ロシア機は日本海やオホーツク海の長距離飛行が主な事例で、中国機は対馬海峡や、沖縄本島と宮古島間を往復する飛行事例が中心となった。中国・ロシアとも、20年上半期の飛行は、過去5年間の同期間と比較しても、緊急発進回数が少なかった。しかし、防衛省・自衛隊では、活発な飛行が続いているものとして、警戒に当たる。・・・
※図=中国機およびロシア機の飛行ルート(提供:統合幕僚監部)