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防衛省、JSM取得へ20年度まで237億円計上
長射程ミサイル取得推進、高速滑空弾開発で437億円
防衛省は、イージス・アショア配備中止を決定したことで、その代替案およびミサイル防衛そのもののあり方について、2020年末までに方針を示すこととしている。ここで注目されるのが、相手側のミサイル発射準備段階で基地を攻撃できる能力、敵基地攻撃能力の保有だ。同省ではすでに、長射程で相手攻撃の圏外から基地などを叩くことができるスタンド・オフ・ミサイル「Joint Strike Missile(JSM)」の取得を進めてきたところ。このほど、2018年度から2020年度にかけて、取得に向けて計237億円の予算を投じてきたことを明かした。さらに研究を進める島しょ防衛用高速滑空弾についても2018年度から研究を開始していて、2020年度までに計437億円を計上。敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルの獲得を推進する。
JSMはノルウェーのコングスベルグ・ディフェンス&エアロスペースが開発する巡航ミサイル。F-35Aへ搭載可能で、約500キロ先の艦艇および地上施設を目標に捉えることができるといわれる。防衛省では、取得個数を明らかにしていないが、2021年度概算要求でも172億円を要求して、着実に保有を進める。これまで、2018年度には約22億円を計上し、2019年度には約79億円として、2020年度には約136億円とした。・・・
26年度に滑空弾装備化計画、能力向上型装備化も
基地攻撃は発生した攻撃の規模などから判断
※写真1=JSM模型。防衛省はこれまで237億円で取得を進めてきた。21年度は172億円を要求する
※写真2=高速滑空弾研究は2026年度装備化を目指す(提供:防衛装備庁)