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NAA中間決算、営業収益が民営化後最悪の332億円
純損失424億円で初の赤字、コスト削減も追い付かず
成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は11月26日の会見で、2020年度中間連結決算(2020年4月1日-9月30日)を発表した。年初から続く新型コロナウイルス感染症の拡大影響で、成田空港の航空機発着回数および航空旅客数が大幅に減少したため、営業収益は前年同期比73.8%減の332億円と、民営化以降最低の収益となった。最大限のコスト削減に努めたものの、営業損失306億円(前期比599億円減)、経常損失301億円(585億円減)、中間純損失424億円(608億円減)と、民営化以降初めて赤字を計上することになった。
成田空港では旅客便の運休・減便が相次ぎ、同期間の国際線発着数が前年同期比64.4%減の3.8万回、国内線が64.9%減の1万回となって、NAAの空港使用料収入が大幅に減少した。航空需要が冷え込み、国際線旅客が97.2%減の52万人、国内線旅客が78.8%減の84万人となって、旅客施設使用料収入および物販・飲食収入、構内営業料収入を大幅に落とした。さらに航空会社やテナントに対する支援措置を加味すると、営業収入は4期ぶりの減収となった上、民営化以降最も低い数値となった。
収益の減少に対応するべく、各種コスト削減を推進し、営業費用を34.5%減の638億円まで圧縮した。田村社長は「一部施設の閉鎖に加え、勤務態勢を輪番にするなど人件費のカットなどを行った」と、変動費とともに固定費の圧縮にも努めたものの、減収を補うまでには至らず赤字を計上することになったと説明した。
通期は堅めの予想、営業収益71.2%減の683億円
回復向かうも感染症影響継続、赤字の予想に
中間期までに財政融資950億円受け入れ
自己資本比率5.8ポ減の38.7%に
発着減で空港運営事業306億円の赤字に
リテール事業も店舗休止で営業損失51億円
通期も空港運営事業、リテール事業で赤字見通し
※写真=会見でNAA中間決算について説明する田村明比古社長