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ジャムコ、内装品・シートで単通路機向け製品群拡充へ
シート事業は単通路機向け上位クラス席の市場調査
ジャムコが単通路機向け製品ラインナップの強化に乗り出す方針を固めたことが分かった。ジャムコの田所務取締役専務執行役員(航空機内装品・機器事業本部長)が単通路機向け市場について、「内装品、シートともに参入機会があると考えており、現在取り組みを行なっている状況」にあることを明かした。
ジャムコといえば現状、どちらかといえば広胴機に強い製品ラインアップを有している。ギャレーこそ737型機、A320ファミリーといった単通路機製品を製造しているが、ラバトリーは787型機、777/777X、767型機、そして747-8型機といった広胴機向けラバトリーを供給するに留まる。シートについても787搭載用プレミアムクラスシート、A350向けビジネスクラスシートなど、広胴機向けの製品ラインナップを展開するが、単通路機向け製品は製造していない。
ジャムコを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染拡大でまさに一変してしまった。ジャムコの顧客である航空会社の財政状態が急速に悪化しており、航空会社が新規の機体受領先送りや発注キャンセルに踏み切ったことで、航空機産業にも影響が波及している。そうしたなか国内線や短距離国際線などに投入される単通路機の需要回復は比較的早いことが予想される一方、ジャムコが得意とする広胴機需要の回復は、単通路機需要の回復に比らべて遅れることが予想されている。
そこでジャムコとしては、自社の単通路機製品ラインナップを強化すべく、内装品、シート事業双方で取り組み強化へと踏み切る様相だ。
田所取締役によれば、「内装品については、ラバトリー、ギャレーにおいても(単通路機向けで)一部引き合いや提案を受けている」ことに言及したほか、シートについても「単通路機におけるビジネスクラスシートとはどのようなものであるか、市場調査を含め、我々の標準型シートを提案することを検討している最中」であること明らかにした。
ジャムコのシート事業では、・・・・・・・・・・・・。
787向け標準プラットフォーム「Venture」を他機種へ
Ventureベースに次期プレミアム席開発も
※写真=ジャムコの787向け標準型プラットフォーム「Venture」の収益化に目処。今後は他機種への展開や次期プレミアムクラスシート開発も視野。写真はKLMに搭載された「Venture」(提供:ジャムコ)