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JAXA・三菱電機、搭載型晴天乱流検知実用化で連携強化
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱電機は去る7月18日、「航空機搭載型晴天乱流検知装置」の実用化・製品化に向けて、米国航空無線技術委員会(RTCA)の特別委員会による技術標準案の作成のための調査・検討に参画する予定であることを発表した。
JAXAは「乱気流事故防止技術の実証」プロジェクト(通称:SafeAvio)において、晴天乱流検知・情報提供システムの研究開発を行い、2016年度にはシステムの機能・性能について飛行実証を行っている。2018年には米国のボーイング社のエコデモンストレーター・プログラムにおいて、晴天乱流検知システムを製作した三菱電機と連携し、同システムを大型機に搭載した飛行実験を実施した。ボーイング社からは航空機アビオニクスとして、乱気流検知装置と情報提供装置の実用化に向けた評価を得たと言う。そして航空機への搭載、搭載後の調整および運用に関する技術課題などの知見が得られている。
これらの活動と並行してJAXAと三菱電機は、米国の航空機用電子装備品標準文書を作成しているRTCAへの働きかけを行って来た。今般、RTCAにおいて航空機搭載乱気流検知装置に関する技術標準作成に向けた調査・検討プロセスが開始されることになったもの。RTCAの技術標準は民間航空機に装備品を搭載する際に必須となるものである。
※図=RTCAにおける一般的な航空機電子装備品の標準化プロセス(提供:JAXA)