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2021.01.25

WING

三菱重工業、飛島工場でH3コア機体を公開

 三菱重工業は1月23日、同社の飛島工場において製造された新型ロケットであるH3試験機1号機のコア機体を公開した。2021年度中に種子島宇宙センターから打ち上げる。飛島工場で組み上げられた試験機1号機は、射場のある種子島宇宙センターへと移送され、いよいよ射場作業へとステップを移すことになる。
 H3は日本の新たな基幹ロケットで全長57~63メートル、直径は5.2メートルあって、H2シリーズの全長53メートル、直径4メートルに比べると一回り大きくなったかたちだ。
 H3は電子部品の90%を自動車部品で応用。射場における自動点検などを採り入れることで、打ち上げまでのリードタイムを短縮し、打ち上げコストは約半分の50億円の打ち上げコストとすることを目指した。
 飛島工場の試験機1号機コア機体は、すでに工場における出荷前の最終関門であるミッションチェックアウト作業を完了。開発の舞台は、いよいよ種子島へと移る。
 なお、種子島宇宙センターへ移送されるH3は、移動発射台上で機体を組み立てる作業を実施し、極低温試験のほか、電磁適合性試験、全機振動試験、全機姿勢制御システム試験、アンビリカル試験といった特別点検を実施する計画だ。さらに、第1段エンジンのLE-9エンジンを実際に燃焼させる1段実機タンクステージ燃焼試験といった試験も実施する。

 

※写真=飛島工場で製造されたH3のコア機体(提供:JAXA)

※写真=H3コア機体。種子島宇宙センターへと移送される(提供:JAXA)

※写真=H-IIAとH3の比較。奥の「JAPAN」と描かれた機体がH3。手前はH2A(提供:三菱重工業)