記事検索はこちらで→
2018.07.27

ウイングトラベル

若者のアウトバウンド活性化、最終とりまとめ

「海外体験」拡大へ一体組織、旅行商品造成を

 観光庁の「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」が最終とりまとめを行った。最終とりまとめは『次代を担う若者への「海外体験のススメ」』と題し、「海外体験」を広げるための国民的ムーブメントの醸成とモチベーションの向上・阻害要因の緩和・環境整備に着手することを提言した。このために、観光庁と旅行業界を中心に、関係府省庁、経済界、教育界が一体となった横断的な組織を設置することを求めた。
 また、観光庁と旅行業界には「海外旅行」の再定義と旅行業サービスの変革を提言、若者の海外体験の新たな商品造成のためのモデル事業の実施、海外体験に特化した旅行商品造成の強化を求めた。

 

 旅行情報安全プラットフォームを強化・拡充
 現地で対応向上へセキュリティガイド育成

 若者の海外体験の促進に向けた阻害要因の緩和では、旅行業界は、旅券取得等の渡航手続き、航空便・宿泊施設の手配など旅行の事前準備情報を分かりやすく一元化して発信する。
 観光庁と旅行業界は、新たに構築する「旅行安全情報等に関する情報プラットフォーム」の現地治安等の情報配信、テロ・自然災害等の緊急時の日本人海外旅行者の安否確認を実施する。また、 海外有事の際に現地での初期対応力の向上へセキュリティガイドの育成を促進する。
 外務省は海外安全情報配信サービス「たびレジ」への登録促進、海外安全ホームページを活用した渡航先の安全情報収集を奨励する。

 

 「海外旅行」再定義と旅行業サービス変革を
 「海外体験」モデル事業と新たな商品造成

 最終とりまとめでは、観光庁と旅行業界などに対して、「海外旅行」の再定義と旅行業サービスの変革を提言した。
 観光分野での若者の海外体験のきっかけ作りとして、若者の海外企業のCSR活動への参加、海外ボランティアへの参加、ワーキングホリデーや海外留学の事前下見ツアーなどを主とする新たな商品づくりのためのモデル事業の実施を求めた。
 また、旅行業界には、海外体験に特化した魅力ある海外旅行商品造成の強化も求めた。
 観光庁と大学には、観光分野での外国人とのコミュニケーションに柔軟に対応できる技術「異文化コンピテンス」を身に付けるための人材育成、大学の観光産業中核人材育成プログラム等への海外体験の組み込むことを促した。
 さらに、地方でインバウンド誘致に携わる観光産業・地方自治体・DMOの若手社員・職員が、海外観光地の知見・経験を得るための海外体験に関する発信の強化を観光庁や関係団体に求めた。