ウイングトラベル
ANAHD4-6月期、純利益69%減益の161億円
ピーチ連結特別益なく大幅減、原油高で費用増
ANAホールディングスが発表した2018年度第1四半期(4−6月)連結決算によると、連結の売上高が7.3%増加した4848億8900万円と増収を確保。その一方で原油費が129億円増加したほか、中期経営戦略に掲げた航空機整備や人材投資を中心とした安全・品質・サービスに関わる投資を進めており、営業費用が9%増加した4648億円に膨らんだ。その結果、営業利益は21.1%減少した200億7600万円、経常利益も21.6%減少した194億2300万円となった。加えて、前年度はピーチ・アビエーションの連結子会社化に伴う特別利益として338億円を含む350億円の特別利益を計上していたが、当第1四半期にはこうした特別要因がないことから、四半期純利益は68.5%減少した161億800万円に留まった。
このうち国際線旅客収入は前年同期比12%増加した1562億円となった。6月から羽田ーバンコク線を増便して、成田路線と組み合わせると、首都圏からバンコクに対して一日5便化するなど、ネットワークを拡充したことなどが奏功。旅客数ベースでも日本発のビジネス需要が引き続き好調に推移したほか、訪日需要が旺盛な中国路線などが貢献して、旅客数は全体で前期比11.7%増加した250万9086人となった。
LCC事業、前年同期比17億円の増収
新路線開設や訪日需要取り込み成功
ピーチ・アビエーションを連結子会社化したことで、バニラエアと共に展開中のLCC事業では、旅客収入が9.2%増加した211億円を確保。これは前年同期に比べると、17億円の売上増加となった。このうち15億円がピーチ・アビエーションの増収で、残りの2億円がバニラエアの増収分。
旅行事業売上0.7%減、新システムで営業損に
ハワイなど海外旅行堅調も国内取扱高減少響く
旅行事業は海外旅行の取扱高が堅調。ANAハローツアーで重点的に販売しているハワイ方面の商品力強化が奏功した海外旅行が増収となったほか、欧州の添乗同行商品の集客が好調に推移した。
一方、国内旅行は取扱高が減少。ダイナミックパッケージ商品「旅作」で商品力強化や価格競争力向上で需要の早期取り込みを図ったことで北海道、関東方面の集客が堅調だったものの、ANAスカイホリデーにおいて沖縄方面に集客が伸び悩んだ。
これにより旅行事業の売上高は0.7%減少した360億円と減収。営業損益では新しく導入した旅行システムの費用が増加したことなどで、前年同期の営業利益6億円から営業損失(営業損失0億円)となった。