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2018.08.03

WING

JAXA、再使用型ロケットを年度内に能代で実験へ

高度約100m飛行も、20年度以降にギアナで飛行実証

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が研究開発を進めている再使用型宇宙輸送システムの開発計画によると、第1段再使用化に向けて、今年度後半にもJAXA単独研究として、能代ロケット実験場において着陸誘導制御技術の実証をスタートする方針を固めた。この実験を通じて、着陸段階の基礎データと再使用エンジンのデータを取得する。その上で2020年度以降、ギアナ宇宙センターにおいて、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、ドイツ航空宇宙センター(DLR)との3機関共同で飛行実証を実施する。この飛行実証で第1段再使用化に向けた技術獲得および経済性に関するデータを蓄積していく計画だ。飛行実証では、打ち上げから着陸までの一連の飛行を通じて、誘導制御技術や推進薬マネジメントを実証することを目指す。
 JAXAでは、これまで宇宙科学研究所(ISAS)で進めてきた再使用エンジンの研究を引き継ぐとしており、ISASでは2015年までに100回もの燃焼試験を実施してきたとのこと。さらに、航空部門の低層風予測(DREAMS)の成果やD-SENDで獲得した統計的誘導制御技術とのシナジーを図るとしている。さらに成果の受け手となる企業とも連携した体制で研究を進めている。
 ちなみに今年度後半にも能代試験場で実施する計画にある飛行実験フェーズ1(RV-X)では、前述したように、着陸段階における誘導制御技術の飛行実証が目的。その上で、再使用・繰り返し飛行運用のシステム構築手法とエンジンの寿命管理設計技術の習得を図っていく狙いだ。