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防衛省、北朝鮮タンカーに瀬取りの疑い
不明船は中国旗と見られる旗を掲揚
防衛省は、北朝鮮船籍タンカー「NAM SAN 8号」が7月31日深夜の東シナ海の公海上(上海の南南東約400キロ沖)で、船籍不明の船舶へ接舷(横付け)しているのを確認したとして、このほど発表した。これは、国連安保理決議で禁止される「瀬取り」の実施が強く疑われる行為。さらに同省では、船籍不明船舶が接舷時および分離した後いずれも中国国旗とみられる旗を掲揚していたことを確認したとして公開した。
NAM SAN 8号の瀬取りと疑わしき行為を確認したのは、海上自衛隊第1海上補給隊の補給艦「とわだ」(呉)。NAM SAN 8号と不明船舶は、夜間に接舷した上で照明を点灯し、蛇管(ホース)を接続していた。そのため、同2隻が何らかの作業に従事していた可能性があるとし、日本政府では総合的に瀬取りを行っていたことを強く疑っている。
北朝鮮船籍のNAM SAN 8号は、国連安保理北朝鮮制裁委員会によって今年3月に資産凍結・入港禁止の対象に指定された。
※写真=瀬取りを行っていることが強く疑われる北朝鮮船籍タンカー「NAM SAN 8号」と船籍不明の船舶。不明船舶では中国と見られる旗が掲揚されていた(提供:防衛省)