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英海軍、日英防衛協力強化で揚陸艦アルビオン寄港
晴海埠頭に寄稿、月末には海自と共同訓練
英海軍のドック型輸送揚陸艦「アルビオン」が8月3日より7日まで東京港晴海埠頭に寄港した。艦長のティム・ニールド大佐は8月7日に記者会見し、今月末に海上自衛隊との共同訓練を行うことを明らかにした。8月4日と5日に行われた一般公開で6000人もの来訪者があり、日英防衛協力に対する英国のコミットメントを直接つたえることができたと述べた。ニールド艦長はアルビオンの特徴について「この艦は防衛におけるスイス・アーミー・ナイフ(多機能)のようなもので、人道支援、災害救援から戦闘に及ぶ様々な任務に対応できる広範な能力を持っている」と語り、今回のアジア歴訪が単なる親善訪問に留まらないこと示唆した。
英海軍は今年、フリゲート艦「サザーランド」が既に訪日し、年内にフリゲート艦「アーガイル」の訪日も予定されているという。これらは日英防衛協力だけでなく、日米英3ヵ国の海軍種の連携強化という大きな枠組みの中での活動であることを会見に同席した駐日英大使館武官のポール・キャッソン海軍大佐が認めている。海自との共同訓練も親善訓練的なものではなく、今回のアルビオンであれば、水陸共同作戦に関連したものが行われるのではないか。
艦内ドックに揚陸艇を搭載
海兵隊107名が乗艦、車両や高速ボートも
アルビオンは艦内に揚陸艇4隻を収納できるドックを備え、約20両の各種車両も搭載、船体の後半は飛行甲板となっている。ただし、航空機格納庫は持たないため、今回の長期にわたる海外派遣では、航空機は搭載していない。ヘリスポットは2ヵ所あってCH-47の離着艦が可能となっている。武装は自衛用のもので、対艦ミサイル防御用のCIWSは建造当初の30ミリゴールキーパーから昨年に20ミリファランクスに換装されている。その他、デコイ発射装置、ミニガン(小型ガトリング機銃)などが強化されている。
今回の海外展開では海兵第40コマンドウC中隊の107名が乗艦し、その装備が搭載されている。主要車両では2両連結のヴァイキング装軌車が5両程度搭載され、高速小型ボートも3隻搭載されていた。広大なドックは中央に仕切り壁があり、今回はLCU揚陸艇、LCV揚陸艇各1隻を搭載していた。
※写真=晴海ふ頭に接岸するHMSアルビオン