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2018.08.09

WING

世界の航空貨物、成長速度に急ブレーキ

6月も成長鈍化傾向、FTKは前年比2.7%増

 2017年に目覚ましいスピードで成長を遂げた航空貨物市場。リーマン・ショックや金融危機などの要因で大きく需要が落ち込んでいたが、急速に回復した。ただ、その勢いが早くも陰りを見せている。国際航空運送協会(IATA)が発表した6月の航空貨物実績によると、航空貨物需要を示す輸送トンキロ(FTK)は前年同月比2.7%上昇した。IATAによると、今年初めから成長速度が航空貨物の成長が鈍化しているとのことだが、6月も成長スピードは鈍いことが継続したとみている。
 上半期(1-6月)のFTK成長率は前年比4.7%となっており、2017年の成長率の半分以下に留まったという。一方、航空貨物スペースの供給量を表すAFTKは4.1%増加。今年3月以降、供給量の伸びが需要の伸びを上回っているという。
 米中間の貿易摩擦が激化し、互いに報復関税を繰り返すなど「貿易戦争」の様相を呈している。今後、この問題が航空貨物市場に更なる影響をもたらすことも懸念されそうで、航空貨物市場の先行きには暗雲が垂れ込めている。