ウイングトラベル
森国交次官、訪日目標達成へ羽田枠50便拡大
関空の早期復旧、伊丹・神戸との機能分担も
国土交通省の森昌文事務次官は9月11日、専門紙向けに就任会見し、観光ビジョンの訪日旅行者2020年4000万人、30年6000万人の目標を達成することが重要と指摘し、「かねてから地元自治体や住民に対し、環境に与える影響等を説明し、了解を得ているが、今後も継続して、できるだけ早く実現したい」と、最優先で2020年の羽田空港の発着枠拡大に取り組むことを強調した。
また、台風21号による浸水、連絡橋損壊の被害を受けた関西国際空港については、11日現在関係省庁、企業でタスクフォースを組んで、早期復旧に向けて取り組んでいるとした上で、第1ターミナルの一部を使い、国際線、国内線の発着を増やしていく状況と説明した。
森次官は、「できる限り関空の機能回復を目指すが、難しい場合は代替となる伊丹空港や神戸空港と機能を分担していくため、地元との調整を行っているほか、貨物は羽田空港や成田空港などに一部機能を代替するよう調整も進めている」と述べた。
新税導入でCIQスムーズ、国立公園に観光施設
文化財を観光活用、国土交通インフラ復旧に全力
訪日旅行需要に結びつく観光施策としてはは、「国際観光旅客税を新設して今年度が初年度となる中でどう使っていくか、今までになったことのないハイレベルな取組みを行っていきたい」と話した。
森事務次官は、訪日旅行者がストレスを感じない旅行環境を整える様々な施策として、空港でのCIQ(税関、出入国管理、検疫)のスムーズ化、訪日旅行者に魅力的な観光地の創設等を挙げた。中でも観光地の創設としては、国立公園内にアミューズメント的な要素を入れた観光施設を作るなどの考えを示した。
また、「文化庁とも連携して我が国が持つ文化財をいかにして魅力ある形でインバウンド客に見てもらうか等、関係省庁と連携して構想をまとめていく」として、「ここ1、2年が勝負となる」と文化財の観光資源化による観光拠点の形成に意欲を示した。。