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2022.03.02

WING

第147回日本が危ない 「反日」という甘えを一切捨てよ

世界から取り残される韓国

変わらず活発な対日歴史批判

 

 中国の軍事力増強に対抗するため、日米豪印4カ国「Quad(クワッド)」や英米豪「AUKUS(オーカス)」と、インド太平洋の新たな協力の枠組みがつくられている。そうした取り組みから取り残されているのが韓国だ。文在寅政権の対中接近とその従属ぶりが際立っていたことも影響している。3月の大統領選では対中姿勢の見直しが焦点となっているが、政権が代わっても変わらないとみられているのが歴史問題での対日批判だ。
 韓国記者協会主催の「第376回今月の記者賞」に、聯合ニュース東京特派員イ・セウォンが選ばれた。「『朝鮮人強制労役』佐渡鉱山世界遺産日本候補として有力」という記事だ。首相、岸田文雄は佐渡島の金山(新潟県)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産候補として推薦することを決めた。この情報をいち早く伝えたというのが受賞の理由だ。
 イ・セウォンは受賞に際し、「心の底では誤報を願う気持ちがあった。(中略)誤報でないことが確認されたが冴えない気持ちは拭えなかった」との感想を送った。自らの「特ダネ」について「誤報を願う」ことは普通ならあり得ないが、その理由についてこう記した。
 「日本の歴史歪曲はますます巧妙になっている。そのような日本が朝鮮人強制労働現場である佐渡鉱山まで世界遺産に推薦するとは『厚顔無恥』という表現がぴったりだ」
 厚顔無恥とはなんとも失礼な言い方であるが、いつものように佐渡金山の推薦問題をめぐっては日本国内よりも韓国での報道が過熱した。報道に煽られ、韓国政府も反対運動を展開した。
 韓国側が「論拠」とするのが2015年、端島(長崎県、通称軍艦島)を含む「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された際、当時のユネスコ大使佐藤地(くに)が述べた「force to work」という発言だ。日本側は「働かされた」の意味に過ぎず強制労働ではないと説明しているが、イ・セウォンも言う様に、韓国側では「強制労役の歴史を認める発言」と受け止められている。

 

いびつな思惑の関係改善
政府レベルで佐渡金山妨害か

 

 この時の外相が岸田だった。実は日本政府内には佐藤発言に対しては非難する声がある。「日本外交史に残る汚点だ」と言う外務省幹部もいる。当然のことながら、韓国側にとって岸田は御しやすい人物と映っていたようで、岸田と交渉した元外相尹炳世は韓国紙の取材に「岸田政権で韓日関係はよくなる」と発言した。日韓関係が改善するというのは韓国にとってみれば日本が言うことを聞くことを意味する。元首相、安倍晋三や後継の菅義偉の時とは違って期待が大きかっただけに、岸田が安倍のアドバイスに沿って佐渡金山の推薦を決めたことには失望も大きかったようだ。

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