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2022.03.16

WING

川崎重工業、”スマート航空機工場”で目指すものとは?

SMART-Kプロジェクト、追跡性・複雑系生産管理の改善が鍵

 「スマートファクトリー」。この言葉は航空機産業界で大いに注目されているキラー・コンテンツではなかろうか。いまやスマート化することが各社の競争力の源泉の一つであって、今後計画される国際共同開発プログラムにおいては、国際競争力を保持、あるいはサプライチェーンに残るための必須条件となってきている。こうしたなか日本国内の大手重工各社の航空機事業では、独自のスマートファクトリー構想を展開させつつある。なかでも川崎重工業航空宇宙システムカンパニーは「SMART-Kプロジェクト」と銘打って、スマート航空機工場の取り組みを加速している。
 本紙の取材に応じた航空宇宙システムカンパニーの酒井昭仁フェローは「しばしば誤解されることがあるが、我々がSMART-Kプロジェクトを通じて実現しようとしていることは、IoTで設備や加工状態の状態監視をすることを主眼としていない」ことを強調する。「我々がSMART-Kプロジェクトで実現しようとしていることの一つは品質管理システム(QMS)のフローダウンとトレーサビリティの保証。そして航空機部品生産自体が他業界では信じられないような超複雑系生産管理を改善・最適化すること」であると説明した。もちろん、設備などあらゆるものがネットワークで繋がるため、設備・機器の健全性・故障予知などは、副次的な効果として活用するとした。

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