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2022.03.23

WING

ロシア、Tu-214旅客機の増産を検討

ウクライナ侵攻への制裁対処、長期戦覚悟か

 統一航空機製造会社(UAC)は3月22日(ロシア現地時間)、ユーリ・ボリソフ露副首相がカザン航空機製造合同を視察したと発表。この中で、UACにおいてTu-214旅客機の増産を検討していることを明らかにした。
 Tu-214はツポレフが開発した単通路型の双発旅客機で、Tu-204型機をベースとするTu-204-200型機として1992年にカザン航空機製造合同で開発製造を開始した。しかし、旅客機としての受注は低調だった様で、現在ではロシア連邦国防省をはじめ、ロシア連邦保安庁(FSB)航空部隊などでの特殊任務機として少数の製造が行われている。実際、UACのホームページでも旅客機ではなく、特殊機として扱われている。
 視察では、ボリソフ副首相はTu-160M戦略爆撃機の生産ラインのほか、Tu-214旅客機の生産ラインも視察。視察後にはUAC首脳部およびUAC傘下企業と航空業界における輸入代替プログラムについて協議したという。この際、ボリソフ副首相は「UACはTu-214の増産を検討している」と述べた上で、「工場は生産準備が完全に整っている。よって、少なくともTu-214旅客機を10機生産できる様にする方策について協議する。緊急の課題は、国内外のロシア国民の航空輸送に問題が生じない様に、必要量の国産機の生産を回復することだ」と語った。

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