ウイングトラベル
【潮流】虚しい観光立国

日本旅行業協会(JATA)の高橋広行会長は3月23日の記者会見で、「遅くとも夏休み前までには一部の国・地域との国際往来が再開できるようにしたい」と展望を語った。そのための水際対策について「諸外国に比べても立ち後れ感は否めず、まだまだ解決しなくてはならない課題が残されている」と指摘した。その課題とは、1日の入国者数制限と隔離制限、感染症危険度レベルの引き下げを挙げた。
このことは経団連も提言書で政府に対して要望しているが、水際対策を段階的に緩和しているものの、国際往来の再開から観光を除外している現状に対して、旅行・観光業界を代表する団体として、JATAのトップがわが国の中途半端な水際対策を批判することは大いに意義がある。
高橋会長は4月3日から視察するハワイを例に挙げ、ハワイが厚生省から帰国時の隔離制限が緩和される感染拡大の「非指定国・地域」になっているにも関わらず、外務省から依然として「危険度レベル3」に指定されている矛盾点を指摘し、これを「ダブルスタンダード」と断じて、この是正を強く訴えた。