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2018.09.20

ウイングトラベル

外国人訪問客「着実に500万人ずつ上乗せ」

仏観光開発機構マンテイ総裁、1億人目標必達へ

 フランス観光開発機構のクリスチャン・マンテイ総裁は本紙などとのインタビューに応じ、2020年までの目標として掲げる外国人訪問客1億人の実現に向け「年間500万人程度ずつ着実に上乗せしていき、目標達成につなげる」という考えを示した。また、2019年についてはスポーツ、芸術、食の3分野を重点テーマとしてプロモーションを強化していくとした。さらに、世界各地で問題となりつつあるオーバーツーリズムの問題についても触れ「都市ごとの受け入れ可能な観光客数を細かく精査していく」と述べ、観光客の流れを詳細にコントロールしていくことでオーバーツーリズムを未然に防いでいく考えを示した。

 

 治安対策強化や新素材開発で観光客数急回復
 スポーツ、ルネサンス500年、食が重点テーマ

 

 マンテイ総裁は足元のフランスの観光動向について「2015年末のパリでのテロ事件で観光客数は一時的に減少したが、治安対策や各種プロモーション、新たな観光素材の開発などが奏功し、17年は大きく回復する結果となった。今年に関してもプラス基調で推移している。日本市場についても同様な動きを見せている」と述べた。
 そうした中で今後の外国訪問客数の動きについて「2018年で仮に9000万人に到達すれば、年間500万人程度上乗せしていくことで1億人が見えてくる」とし、目標実現に向けて着実に歩みを進めていく方針を強調した。
 そうした中で2019年はスポーツ、芸術、食を主要プロモーションとして位置づけていくとした。
 スポーツに関しては今月末に米国と欧州の代表選手によるゴルフの対抗戦「ライダーカップ」が開催されるほか、2023年にラグビーワールドカップフランス大会、2024年にはパリで夏季オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、大型スポーツイベントが続くことから、スポーツを切り口としたプロモーションを強化していく。
 マンテイ総裁は「観光インフラに関しては毎年140億ユーロを投資しているが、これに加えてスポーツ施設やアクセス面の強化に向けて、追加で20億ユーロの追加投資を行い、多くの国から訪問客を迎えるためのクオリティを高めていく」と述べ、スポーツを切り口とした観光振興を強化していく考えを示した。
 また、ラグビーワールドカップとオリンピック・パラリンピックに関してはいずれも日本の大会の後に実施されることになる。そうしたことから「大規模スポーツイベントはマネジメントが非常に大変だ。そうした中で日本とフランス両国で経験を共有していけるような取り組みを進めていき、日仏の絆をさらに深めていきたい」と述べた。