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JAL、成田-シアトル線を来年3月末開設へ
27年ぶりの再開、アラスカ航空とコードシェア拡大も
日本航空(JAL)の赤坂祐二社長らが9月26日、記者会見に臨み、来年3月31日に成田-シアトル線を開設することを発表した。運航便数はデイリーで、787‐8型機(SS8)を投入する。赤坂社長は「当社は1983年から東京-シアトル線の運航をしてきたが、1992年に運休して以来、実に27年ぶりの運航再開となる」ことを明かした。この路線はJAL太平洋路線の共同事業パートナーであるアメリカン航空との共同事業路線の対象となる。
路線開設にあわせて、シアトル・タコマ国際空港(シータック空港)をハブとするアラスカ航空との提携を、シアトル線開設にあわせて3月31日から拡大することも発表。JALはアラスカ航空と2016年6月からコードシェアを展開してきたが、今回の提携深化によって、コードシェア対象地点が、これまでの18地点から一気に38地点追加し、計56地点にまで拡がる。アラスカ航空はもともとシ-タック空港で最大の発着数を誇るキャリアだが、今年ヴァージン・アメリカを吸収合併するなど、西海岸最大のキャリアにまで成長を遂げた。
成田-シアトル線は最大のライバルである全日空(ANA)が運航しているほか、デルタ航空も直行便を就航中など、競争の激しい路線。赤坂社長は「相手にとって不足はない」と強気の姿勢をみせつつ、「私達の戦略が異なる点は、乗り継ぎ利便性に関して、デルタ航空、ANAに比べて格段に優れていること」であることを強調した。
赤坂社長が話すように、アラスカ航空がシータック空港で持つ路線網は、利用者に高い乗り継ぎ利便性を提供する。「実に20地点がJALにとって新しい地点」(菊山路線統括本部長)であると話すように、これまでなかなか訪れにくかった米国の各都市に、日本人がビジネスや観光などで訪れやすくなる。一方でアラスカ航空がシータック空港と結ぶ米国内の各都市から、訪日旅客を取り込むことができるという期待も大きいようだ。
さらに菊山英樹路線統括本部長(取締役)は「北米と東南アジアを結ぶ経由需要が強く発生することを見込んでおり、ダイヤについては成田の夕方の設定とすることで、当社の東南アジア路線との乗り継ぎ利便性を高めることで、接続需要を取り込みたい」ことを明かした。
また「シアトルは日本と米国主要都市を結ぶ路線のなかでは、需要は多い方から5番目」と、人気の高い路線であることに言及。その上で、「サンフランシスコ、ロサンゼルスなどに自社便で直接乗りれており、コードシェア便も有しているが、米北西部ではなかなか地点数として十分にカバーしきれていなかった」との認識を示し、米北西部で力を有するアラスカ航空と提携することを決めたと説明した。