東レ、従来比3倍の耐疲労特性持つCFRP開発

しなやかなタフポリマー構造、航空機や自動車など

　東レが高強度・高剛性を維持しながら、従来に比べて3倍もの耐疲労特性を有する炭素繊維強化プラスチック（CFRP）を開発することに成功した。大学などによる分子設計技術や構造解析技術と、東レが保有する独自のナノアロイ技術を融合することによって、CFRPのポリマー材料に環動ポリマー構造を導入する「しなやかなタフポリマー」作製技術を確立したという。今後、航空機や自動車、医療など、様々な分野に応用することが期待できるという。
　東レによれば、今回の技術は内閣府総合科学技術・イノベーション会議が主導する革新的研究開発推進プログラム（ImPACT）の伊藤耕三プログラム・マネージャーの研究開発プログラムの一環として開発した「しなやかなタフポリマー」をCFRPに応用したもの。CFRPのマトリックス樹脂中に環動ポリマーをナノスケールで均一に分散することに成功し、本来CFRPが持つ高い強度と剛性を維持しながら、従来に比べて約3倍の耐疲労特性を実現したという。