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NAA松本取締役、災害続きもインバウンド需要堅調
足元の出国者2割近い増加、中国中心に旺盛な需要継続
成田国際空港会社(NAA)の松本大樹取締役は9月28日の専門紙会見で、このところ立て続けに発生している自然災害によって、インバウンド需要の冷え込みを懸念する声も聞かれる中、少なくとも成田空港に関して「率直に言って(懸念は)感じていない」と、強気の姿勢を示した。
去る9月4日には台風21号が関西国際空港を襲い、高潮などの大きな被害によって、一時閉鎖せざるを得ない状況となった。さらに6日、日本有数の観光地である北海道で胆振東部地震が発生するなど、このところ大きな自然災害が立て続けに発生していて、堅調に推移するインバウンド需要の停滞も懸念される。しかし松本取締役によると、成田空港の足元の状況は、出国旅客9月1~22日の速報値で対前年比18%増だと説明。これは関西空港からの「臨時便の影響も多少ある」とも説明した上で、成田だけ見れば従来に引き続き順調な伸びを示しているとした。
さらには、成田就航の航空会社によれば、中国大型連休となる10月の国慶節では、中国路線の予約状況が非常に好調な様相だという。特に国慶節の旅行先第1位に日本が選ばれていることもあるため「少なくとも、成田就航会社の感触としては非常に好調だ」と説明した。
NAAでは、9月4日から22日までの期間、成田から出発した臨時便の数として、旅客便が352便で、そのうち国際線が309便、国内線が43便になった。貨物便は、国際線のみ114便。そしてフェリー便は国際・国内それぞれ4便ずつの計8便だった。この数字からも分かるとおり、関空被害の影響もあって、成田の9月の臨時便は大幅に増加した。しかし、臨時便就航を踏まえた上でも足元の出国者数が順調であること、加えて中国を中心に10月以降も堅調であることなどから、いぜん旺盛なインバウンド需要が続いている考えを示した。