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2022.09.12

WING

シリウム、21年航空会社ランキングは米系が席巻

 回復遅れのアジア太平洋、業界地図に激震

 英国の航空データ分析大手のシリウムが、「2021 年の世界の航空会社旅客ランキング」を発表した。このランキングで米系大手航空会社が上位4社を独占。アメリカン航空がトップに立ったほか、デルタ航空、ユナイテッド航空、そしてサウスウェスト航空が続いた。さらに、ジェットブルーがコロナ前の23位から12位に、アラスカ航空は28位から14位、スピリット航空も37位から15位へとジャンプアップするなど、新型コロナパンデミックの影響から、米国国内線市場の力強い回復を印象付ける結果となった。
 その一方、長距離国際線を多数保有するレガシーキャリアは苦戦を強いられた様相。そうしたキャリアは今回のランキングで大きく順位を落とした。
 またシリウムは、昨年は2020年の低迷から75%もの回復がみられたとした一方、旅客需要を表すRPK・RPMベースでみてみると、2019 年と比較して未だ40%減という水準にあったと分析した。
 シリウムのジェレミー・ボーウェン最高経営責任者(CEO)は「パンデミック前には、アジア太平洋地域の航空会社が世界の旅客輸送量の最大のシェアを有し、世界全体の3分の1強を占めていた」ことに触れつつ、「2021年には、米国国内線の力強い回復に牽引された北米勢が取って代わった」とコメント。新型コロナパンデミックからの回復が顕著な北米市場が、回復に足踏みするアジア太平洋勢を後目に、航空勢力図を大きく塗り替えたとの見解を示した。

※この記事の概要
・21年の旅客数は23億人、コロナ前の半分
 コロナ禍でLCCのシェア拡大傾向
・20位までのランキング、日系キャリアは? など