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2018.10.15

WING

自衛隊観閲式、F35Aが初の飛行展示で飛来

首相、「信頼を勝ち得た自衛隊、次は政治家が責任果す」

 防衛省自衛隊は10月14日に、「平成30年度自衛隊記念日観閲式」を埼玉県朝霞市の陸上自衛隊朝霞訓練場で実施した。今年は29個部隊、人員約4000名、航空機数約40機、車両数約260両が参加し、統制の取れた行動で自衛隊の精強さを阿部首相や岩屋防衛大臣はじめ、来場者に示した。
 観閲式には、安倍首相、岩谷防衛大臣が臨場。観閲式参加部隊の巡閲を行った後、安倍首相が隊員に向けた訓示を行った。この訓示の冒頭、今夏に相次いだ自然災害の犠牲者に対し冥福を祈るとともに、現場で働く自衛隊員の労苦をねぎらった。また11年前の緊急患者輸送中の徳之島自衛隊ヘリ墜落事故で殉職した建村1等陸佐のエピソードを紹介した上で、「全国25万人の隊員一人一人の、高い使命感、強い責任感によって、日本は、日本国民は守られている。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える。諸君の崇高なる覚悟に、改めて、心から敬意を表する」と自衛隊員に対する敬意を表した。
 また、「60年を超える歩みの中で厳しい目で見られた時もあったが、今や国民の9割が敬意をもって自衛隊を認めている状況は、まさに自衛官諸君が歯を食いしばり、職務を全うしてきた結果勝ち得たもの。次は政治がその役割を果たしていかねばならない」として、「全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える。これは、今を生きる政治家の使命。私はその責任をしっかりと果たしていく決意だ」として決意を表明した。

 

精強さ見せる観閲行進
女性自衛官部隊行進や空自F-35A飛行も

 

 観閲式当日は、朝まで降っていた雨も上がり、曇り空で観閲式日和とまではいかなかったものの、観閲行進する各部隊の精強さ・統制の取れた動きに来場者は感心していた。
 観閲行進に先立ち、自衛隊関係者への表彰式と空挺降下展示が行われた。降下展示では会場上空のヘリから空挺隊員3名が降下、落下傘を巧みに操り、スムーズに着地して会場を沸かせた。観閲行進は、陸海空合同音楽隊の行進から始まり、観閲部隊本部、防衛大学校学生隊、高等工科学校生徒隊が陸軍分列行進曲とともに行進。普通科、空挺部隊が続いた。さらに女性自衛官部隊も制服姿で行進し、自衛隊内における女性の活躍ぶりをアピールしていた。

 

※写真=観閲行進は陸海空合同音楽隊から、新制服での初の観閲式となった

※写真=自衛隊員に対し訓示する安倍首相

※写真=観閲台前に落下傘降下した空挺隊員

※写真=飛行展示を行うF-35A

※写真=日米のAAVが合同行進、よくみると車体色だけでなく、装備品の違いも分かる