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18年度上期緊急発進、過去最高ペースの561回に
中国戦闘機への発進増加、太平洋進出も引続き活発
統合幕僚監部がこのほどまとめた2018(平成30)年度上半期(2018年4月1日〜9月30日)の緊急発進実施状況によると、緊急発進回数が前年同期と同じ561回となった。これは過去最高の発進回数を記録した2016年度に匹敵するペース。いぜん日本周辺空域では中国、ロシアによる活発な飛行が続いていて、推定も含め対象国・地域別としては、中国機が全体の約61%を占め、続いてロシア機が約38%、その他が約1%だった。
今年度上期の中国機に対する緊急発進回数は前年同期比58回増の345回となった。引き続き戦闘機に対して緊急発進を行う回数が多かったということで、中国では訓練など東シナ海において活発な活動を続けている。また、沖縄本島と宮古島間を通過することによる太平洋への進出は前年同期よりも1回減の7回となるも、いぜん頻繁に行われている状況。中国の航空機運用は、練度が著しく向上していて注視している。
また、第1四半期ではあるが、4月10日に中国のBZK-005無人機と思われる飛行を東シナ海で確認している。同機は尖閣諸島北約160キロの防衛識別圏内を飛行し、南西航空方面隊の戦闘機を緊急発進させた。そのほか中国では、昨年5月に尖閣諸島上空で小型無人機を飛行させる事案も発生していて、手段の多様性も顕著になっている。