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年末年始、コロナ前比国内8~9割、国際約5割まで需要回復
行動制限無し、水際緩和で需要旺盛、訪日レジャーも追い風
航空各社の年末年始期間中(12月28日~1月5日:計9日間)の旅客輸送実績が1月6日に出揃った。新型コロナ禍の行動制限が無く、政府の水際対策が緩和されたなかで迎えた今年度の年末年始繁忙期は、国内線でコロナ禍前の8割~9割、国際線は5割ほどにまで回復が進んだ。
大手航空会社では全日本空輸(ANA)の国内線旅客数は前年度比約17%増加した116万人に、国際線は480%増加した14万人だった。順調に回復が進んだ国内線に対し、国際線においては未だコロナ禍前の半分ほどの旅客数ながら、1日あたりの旅客数として14万人以上となったのは、2020年2月以来、実に2年10カ月ぶりのこととなるなど、路線ネットワーク便数の回復と共に、旅客需要の傾向が鮮明になってきた。
一方の日本航空(JAL)の国内線も前年度比5.2%増の94万人に、国際線は410%増の14万2419人となるなど、こちらも国内・国際ともに回復が進んだ。
両社ともに国際線はゼロコロナ政策が続いた中国便は厳しい数字だったものの、その他の方面で回復が顕著に。年末年始の一時帰国需要のほか、訪日レジャー需要が好調だった。さらに、年末年始を海外で過ごす需要の回復もあって、ハワイなどを中心に各方面の需要が旺盛に推移した様相だ。
LCCも好調、国内・際ともに高利用率
LCC勢も堅調に回復が進んで冬の繁忙期を終えた様相だ。なかでもピーチ・アビエーションの国内線は、コロナ禍でも路線ネットワーク便数を拡大してきたことでコロナ前を上回る旅客数を確保。前年度比でも8.5%増となるなど、旅客数を着実に伸ばした。運航を一部再開した国際線についても回復が進んでいる様相で、年末年始を海外で過ごす需要の回復が進み、コロナ前推進まで回復した路線もみられるという。
ジェットスター・ジャパンも国内線旅客数が11.3%増、利用率85%を確保するなど好調。国際線(マニラ線)利用率は86.7%となり、高い利用率を記録した。
コロナ禍の2020年6月に運航を開始したZIPAIRも、いよいよ需要の刈り取りを本格化させている。期間中の旅客数は2万2719人にのぼり、利用率は85.2%に達するなど好調だった。
ちなみに、スプリング・ジャパンの国内線は前年度比0.7%減に。同社最大の強みである国際線は、中国がゼロコロナ政策を継続したこともあって、依然として回復が遅れ、搭乗者数が636名に留まった。
そのほか、スカイマーク、AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤーら中堅キャリアの国内線は好調に推移。利用率ベースで一部日程において90%台をたたき出す日がみられるなど、期間全般に亘ってコロナ前を彷彿させる需要がみられた。
※各社の年末年始実績を掲載