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2023.01.19

WING

NASA・ボーイング、遷音速トラス支持翼実証機開発・飛行試験へ

 20年代後半飛行実証、30年代の遷音速単通路機に適用目指す

 米航空宇宙局(NASA)は1月18日(現地時間)、ボーイングと協力して、環境に優しい次世代遷音速機に適用する「Transonic Truss-Braced Wing」(遷音速トラス支持翼:TTBW)技術実証機を開発・製造し、その飛行試験を実施することを発表した。
 NASAはこれまで、TTBW技術について、風洞試験を実施するなど、ボーイングと共同研究を進めてきた。その上で、昨年にはTTBW技術実証機開発を公言し、今回正式にボーイングをパートナーに選定。いよいよ技術実証機の開発に踏み込むこととした。
 NASAのビル・ネルソン長官によれば、2020年代後半までにプロジェクトを完了する予定で、一部報道では2028年に初飛行することを計画。この実証機で得られる成果は、2030年代に就航する可能性のある次世代単通路機に適用される可能性があって、ボーイングの次世代単通路機翼候補となっていく。
NASAによれば、プロジェクトの目標は、実証機に適用するTTBWの技術により、推進システム、素材、さらにはシステムアーキテクチャなどといったその他の技術革新と組み合わせた場合、既存の最新型の単通路機と比較して、燃料消費およびCO2排出量を最大30%削減することを目指す方針だ。
 なお、NASAはこのプロジェクトに7年間で4億2500万ドルの資金を投じ、ボーイングおよびその他の産業界パートナーは残りの約7億2500万ドルを拠出する。

※この記事の概要
 独特な双翼機形状、次世代機設計の有力候補
 ネルソン長官、「30年代の旅客機に適用可能性」
 TTBW適用可能な技術が日本でも研究進む  など