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2023.02.16

WING

ANAHD、航空・非航空の回遊強化、ANA経済圏確立へ

 新中期3カ年計画、25年度に営業利益2000億円

 ANAホールディングスは2月15日、新中期経営戦略(2023~2025年度)を発表した。2023年度に営業利益1200億円、当期純利益630億円とすることを目指し、計画最終年度の2025年度には営業利益2000億円、当期純利益1220億円を達成することを目指す。
 ANAホールディングスの芝田浩二社長は「現在、世界規模でコロナ感染症が収束に向かうなか航空需要は着実に回復している。今年度の黒字化が確実になり、グループの将来像やそれに向けた具体的な計画を描くことが可能になったため、3年間の中期経営戦略ならびに経営ビジョンを策定することにした」と説明。前回、中期経営戦略を発表したのは2018年で、その対象期間は5年間としていたが、今回は2025年度までの3年間を対象とした。
 芝田社長は「これからの3年間は、主力の航空事業を中心に収益を拡大しつつ、ノンエア事業を強化し、双方(航空事業とノンエア事業)の回遊を高めることで2030年に向かって成長軌道を描く」とし、航空事業の利益最大化、航空と連動しない収益ドメインの拡大、そしてANA経済圏の拡大を3本柱としていくとした。
 また、コロナでコロナ禍の不測の事態に備えた緊急対応として手厚くしていた財務基盤については、「今後は資金の返済を進め、利益剰余金を積み上げ、資本を厚くして株主配当の再開を目指す」方針を示した。「昨年末と2025年期末を比較すると、有利子負債は1兆6200億円から1兆1000億円に減少させ、自己資本比率は25%から37%に増加する」とした。
 なお、計画期間中の設備投資については、年平均で2700億円規模を見込む。主として航空機への投資のほか、IT関連の投資を中心に行う。そうした設備投資の資金については、「あくまで営業キャッシュ・フローの中で賄う」方針だ。

※この記事の概要
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