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2023.05.09

WING

JAL連結決算、通期3年ぶりの黒字化を達成

 EBIT645億円、回復需要捉え旅客が大幅増加

 日本航空(JAL)は5月2日に2023年3月期連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)を発表し、売上収益が前期比101.5%増の1兆3755億円、営業費用が43%増の1兆3446億円、利払いおよび税引前利益のEBITが645億円(前期比3040億円増)であり、純利益が344億円(2119億円増)と、2020年3月期以来3年ぶりの通期での黒字となった。新型コロナウイルスが収束に向かいつつある中で回復する旅客需要を捉えて前年よりも大幅に上回ったと説明した。
 収入の増加とともに営業費用が前期より約4割も増加したが、特に燃油費では燃油市況の上昇と急速な円高の影響で前期比122.3%増の3233億円となって、コスト全体を圧迫した。またJALが全社を挙げて抑制へ取り組んできた実質固定費については、運航の増加に伴って前期比37%増の4925億円となったが、これは当初の見通しを75億円下回り、徹底したコスト抑制が奏功したことを示した。
 配当については、これまで手元流動性の確保と財務体質強化を優先したため、2期にわたって無配だったが、今期2023年3月期では通期連結黒字化を達成し、さらに航空需要が回復へ向かう見通しのため、1株当たり25円の期末配当を行う予定だとした。次期2024年3月期も航空需要の回復が継続する見通しで、キャッシュ・フローの着実な回復が見込めるため、1株当たり40円、うち中間配当予想20円を行う予定とした。

※この記事の概要
 24年3月期予想でEBIT1000億円、国際線65%回復
 財政状況、健全な経営維持、手元資金も十分
 フルサービスキャリアの売上109.9%増
 国際線インバウンドで回復、単価大幅拡大
 知名度上がるZIP、LCC事業の売上10倍以上に

 マイル・ライフ・インフラの売上2351億円に  など