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2023.07.03

WING

PDエアロ、「X06」号機が初飛行で不時着水、バラバラに

通信途絶、地上のトラッキングシステムがスタックか

 スペースプレーンの開発を進める宇宙ベンチャーのPDエアロスペース(本社:愛知県名古屋市)が6月28日、有翼型固定翼無人実験機「PDAS-X06」号機の初飛行に挑んだ。しかし、同社の実験拠点である下地島空港を飛び立った機体は、離陸から約130秒後、下地島空港の17エンドから北北東方向に約1.5km離れた海上に不時着水。機体はバラバラとなって水没し、その後、地元のダイバーや漁協等の協力によって、機体は概ね回収された。今回の不時着水で、周辺の人的あるいは物的被害は確認されなかった。
 翌29日に会見に臨んだPDエアロスペースの緒川修治社長は詳しい調査は今後飛行データの解析を進めるとしながらも、現時点の不具合要因を推定。通常、操縦を確立するために地上のトラッキングシステムによって機体を追いかけて地上と機体の通信を確保するところ、今回のフライトでは「トラッキングシステムがスタックした可能性が最も高い」ことを明かし、トラッキングシステムが機体を追い切ることができなかった可能性があると推定した。

※この記事の概要
 離陸・旋回上昇中に通信途絶
 NOTAM設定外出る可能性でエンジン緊急停止 
 PDエアロの足踏みは日本の民間宇宙に大きな打撃
 PDエアロ、プロジェクト全体を整理へ      など

※画像=「PDAS-X06」の不時着水地点(提供:PDエアロ)