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2023.07.10

WING

JAXA、6号機失敗受け「イプシロンS」信頼性向上へ検討続く

 各種試験作業着々と進行、打上げサービス化へ開発深化

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月7日、開発を進めている「イプシロンS」の開発状況を説明した。このなかで「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗を受けて、失敗原因となったRCS(姿勢制御システム)の是正として、H-IIAタンク活用案および現タンク設計変更案の設計・トレードオフを実施していることに言及。また、背後要因に関する対策として、フライト実績品に対する十分な確認など、信頼性向上に向けた取り組みを実施していることなどを明らかにした。
 これまでにも、SRB-3実機大地上燃焼試験(1段TVC機能・性能確認試験)を実施し、1段TVCの機能が良好であることを確認済みであるほか、2段モータ地上燃焼試験、3段モータ地上燃焼試験などを実施。それぞれにデータを取得して、検証作業を進めているところ。
 さらに段間モータ分離機構作動試験では、開発した非火工品による段間分離機構の作動性を確認したほか、分離衝撃低減効果も確認することに成功。第2段機器搭載構造(B2PL)強度合成試験では、終極荷重に耐えることを確認しており、アンテナパターン試験ではアンテナからの電波放射特性に関するデータを良好に取得することに成功し、設計に反映したという。そしてアビオニクス・エンジニアリングモデル試験も実施するなど、着々とさまざまな開発試験が実施され、その開発深度が深まっている様相だ。

※この記事の概要
「イプシロンS」と「強化型」は何が違うの?
 第1段階開発とH3知見盛り込みアップグレード
 H3とさまざまなシナジー   など