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2023.08.01

WING

イプシロンS爆発、モータケースに過大な熱的負荷か?

 推進薬燃焼異常やインシュレーション断熱不良の可能性

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月31日、去る7月14日に能代ロケット実験場の真空燃焼試験棟で発生した「イプシロンS」ロケット2段モータの地上燃焼試験の爆発事故について、「これまでの原因調査の結果、現時点においては、何らかの理由でモータケースに熱的に過大な負荷がかかり、構造部材が強度を維持するための許容温度を超えたことで破壊に至った可能性が高い」との分析を明らかにした。
その上で、供試体起因としては、「推進薬燃焼異常、インシュレーション断熱不良が要因として残っている」とし、今後、さらなる詳細な原因究明するべく、調査を継続するとした。
 「イプシロンS」ロケットの2段モータは、打上げ能力を最適化するべく、「強化型イプシロン」(強化型)の2段モータサイズをアップしたもの。「強化型」2段モータと「H3」ロケットの固体ロケットブースター「SRB-3」の開発成果を活用し、高信頼性・低コスト化を追求する新型2段モータだ。

※この記事の概要
・「イプシロンS」第2段モータの特徴
・どんな試験を行う計画だった?
・燃焼試験スタートから異常発生までの経緯
・爆発後の状況   など