ウイングトラベル
世界水準のDMO形成に向けた検討会を設置
観光庁、18年度中に一定の方向性取りまとめ
観光庁は日本版DMOの質的向上を図るための有識者会議「世界水準のDMOのあり方に関する検討会」を設置し、11月7日に初会合を開催した。同検討会では、世界水準のDMO作りを進めていく中で現行のDMO登録要件の中味を精査するとともに新たに追加すべき視点が必要であるかという点などについて有識者を交えて議論を行い、今年度中をめどに中間とりまとめをおこなう。7日の会合では現状の日本版DMOに関する取り組みを整理するとともに、各委員から現状のDMOのあり方について意見を求めた。
政府は2016年に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」で2020年までに世界水準のDMOを全国で100組織形成するという目標を盛り込んだ。日本版DMOに関する取り組みとしては2015年から取り組みが始まっており、今年7月末時点で86法人をDMOとして、122法人をDMO候補法人としてそれぞれ選定している。
そうした中で、DMOのさらなる磨き上げを図り、ビジョンに掲げる世界水準のDMOを100組織形成するためにはどのような視点が求められることになるのかを整理するために今回検討会を設置することとした。
検討会の委員には学識経験者や地域でのコンテンツ造成などに携わる有識者を10人選定。座長には、東洋大学国際観光学部国際観光学科の矢ケ崎紀子教授が就任した。
会合にさきがけて、観光庁の田端浩長官があいさつした。田端長官は「一昨年に策定した明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、世界水準のDMOを作っていくという視点を盛り込んでおり、これまでもさまざまな取り組みを行ってきた。そうした中でこれから地域における取り組みを本格化し、世界水準のDMOを作りあげていく上では、まだまだ試行錯誤が続いている状況であるというのが正直なところだ。検討会を通じて有識者のみなさんから色々な視点から指摘してもらい、中身の濃いものにしていきたい。スケジュールが窮屈なものとなってしまい恐縮ではあるが、集中的な議論をお願いしたい」と述べた。
DMO形成の5要件、一層の磨き上げへ議論
行政との役割分担、「稼ぐ力」実現への課題も
※写真=「世界水準のDMOのあり方に関する検討会」初会合の模様
※写真=会議冒頭であいさつする田端浩観光庁長官
※写真=委員会の座長に就任した矢ケ崎紀子東洋大学東洋大学国際観光学部国際観光学科教授